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「飛ぶ教室」観ました

実を言うとケストナーの「飛ぶ教室」、あんまり得意な作品ではないのです。だから劇場公開のとき見逃し、今回、ようやくDVDで観たわけでして。

記憶をたどると、「エミールと探偵たち」「エミールと三人のふたご」、そして「ふたりのロッテ」と快調に読み進み、次に出会ったのが「飛ぶ教室」だったような。
でも、当時の私(たぶん小学校3、4年生頃)にはこの作品、難しすぎたようでした。ケストナーから離れるきっかけになってしまったのです。

ネットを始めて児童文学の世界に舞い戻り、再びこの本を手にとったのが、たぶん3年ぐらい前。なぜかそのときも淡々と読んでしまったのですが、今回、この映画を観て、なぜ原作にハマれなかったのかが、ようやくわかりました。

子どもたちが2つのグループに分かれて反目し合うところ・・・人質を本気で殴り続ける・・・が、私には(ゲームとはいえ)ちょっとキツすぎるのです。(だから私は「ほんわかごっこ遊び」がメインのランサムが好きなんだなあ。) 友達を見返すために、危険なことをやってみようという子どもの気持ちにも、いま1つ入り込めない。赤毛のアンにもああいう場面はあったけど。

それはそれとして、この映画、悪くありません。「現代を舞台としているから、原作とはかなり違うけれど、よくできている」と、原作ファンにもかなり好評だったことがうなずけます。

ただ妥協して設定を変えたのではないのです。「ドイツの今」とうまくリンクしている。唸りました。この改変は、天国のケストナーを喜ばせこそすれ、怒らせはしないだろうと思います。

興味深かったのは音楽です。
東西冷戦の時代、若者がその怒りを表現する音楽形式はロックだった。
そして今、その役割を担うのはラップ。
私は音楽は美しいメロディーがあってこそだと思っているので、リズムだけしかないラップは苦手です。ほんとうのことを言えば、あれは音楽なんかじゃないと思ってるぐらいで。(ラップ好きな方、ごめんなさい) 
好きでない人間にすら、ラップのメッセージというのは強烈な印象を残すもので、子どもたちの歌う(あれを歌とは言いたくないけれど)「Wer ist schon gern allein?(誰がひとりぼっちでいたいものか?=誰もひとりぼっちにはなりたくない)」は、今も耳の中で響いてます。この言葉、もしかして、原作からの引用なのでしょうか?

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by foggykaoru | 2005-12-09 22:59 | 児童書関連

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