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夢見る帝国図書館

中島京子作。

タイトルに惹かれて読んだのですが、これは力作です。

物書きをしている主人公がひょんなことから上野で風変りな老女と知り合う。
彼女のたどった数奇な人生と並行して、明治維新後の日本の図書館の歴史が語られていく。

文化の殿堂たる図書館を我が国でも育てていこうという歩みは、富国強兵の名のもとに、ことあるごとに停滞する。
その苦難の歴史が、抑圧されてきた女性の人生とオーバーラップする。

小説というのは、楽しめればそれで十分だと私は思っている。
でもこの小説には楽しみながら学ばせてもらった気がする。

こういう作品に興味をそそられる友人が少なくないと思うので、もしも私に実際に会うチャンスのある皆さん、リクエストしてくださればお貸ししますよ。

by foggykaoru | 2023-04-20 19:53 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)

Commented by Titmouse at 2023-04-22 14:13 x
この本、とても印象的でした。この本で言及されていた作品が気になって、それが収録されている本を借りたら、図書館に関する作品のアンソロジーだったので、その解説で紹介されている本をさらにまた読んだ…とつながっていきました。
Commented by foggykaoru at 2023-04-23 06:29
> Titmouseさん
おお、やっぱりご存知だったんですね!
他の本につながっていったなんてすごい。
どんな本が言及されていたのか、今となっては霧の中(涙)
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