高階秀爾著「ゴッホの眼」(青土社)
2006年 01月 28日
ゴッホというのは、いい人か悪い人かというと、間違いなくいい人です。とにかく真面目。伝道師になろうとしたほどですし。でも、周囲からすると、今の言葉で言えば、かなり「うざい」奴。
相手にあまりにも多くを求めるため、結局、みんな彼に辟易して逃げてしまう(と彼は感じた)。そのことで、さらにまたいたく傷ついた。悲劇です。彼の側から言えば。
強烈な思いが濃縮されてこめられた彼の絵は、非常に濃い。魅力的だけど、こっちの心と体の調子が良くないと受け止めきれないところがある。
この本は、そんなゴッホの絵解きです。
なぜ向日葵でなくてはならなかったのか?
その向日葵は12本バージョンと、その後に描かれた14本バージョンがある。彼自身、手紙の中でこの数字に繰り返し言及している。では、12とか14の意味は?
人が座っていない椅子---「ゴーギャンの椅子」と「ゴッホの椅子」---を描いた真意は?
ゴッホが安らぎを感じられるのは、どういう場所だったか?
逆に、ゴッホを大きな不安に陥れるのは、どういう場所だったか?
面白いです。
特に、ゴッホの自殺の原因についての考察には、なるほどと唸らせられます。
面白いのですが、彼の思いの深さを知れば知るほど、引け腰になる自分を感じました。
この本のお陰で、ゴッホの絵が一層興味深くなったのは確かですが、それと同時に、「こんな蘊蓄は知らないほうが、むしろ気楽だった」という気分がするのです。
それと・・・
ゴッホは自分の想像力で画面を構成する才能はなく、あくまでも写生や模写をもとにして、そこに自分の感情を塗り込んだのだそうです。
実際にあったことしか書けない私はドキっとしました。
旅行記の形を借りて、自分の思いを書いている?
・・・・・・そうかもしれない。
「自分では普通のつもりでも、濃すぎて読みにくい旅行記を書いているのかもしれない」と思うと、ぞっとします。
いろんな意味でのめりこみすぎないように注意、注意。
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by foggykaoru | 2006-01-28 17:12 | その他のジャンルの本 | Trackback | Comments(8)
ゴッホは、、、外向交直感をもった内向感情タイプ・・内面の核になる価値観がとても重要とするタイプなのかなあ。。
うわうわびっくりした~
専門用語はわからないけれど、ゴッホは妄想にどんどんのめりこんで、「こうなって欲しい」という希望が「きっとこうなる」という思いこみになり、実際にそうならないと、どっかーんと落ち込む、、、という人だったらしいです。
掲示板にも来てね♪
でも「知らないほうがむしろ気楽だった」のか・・・一度あることを知ってしまうと、もう知らなかったときには戻れないですものね。
ゴッホは、思い込みが強かったり、精神の病気を患っていたりしたときも、自分の弱さを知っていた点が、救いでもあり、気の毒でもあります。精神病院にも自分から入院したりして。そういう内面を強く思わせる絵を見た後、平和な(と思える)郵便屋さんの肖像なんかを見ると、こういう落ち着いたときもあってよかったね・・・と言ってあげたくなります。
かおるさん、旅行記、読みにくくないですよ。ご安心を。
――とにもかくにも、ありがとうございました!!
失恋の直後にゴッホの画集を買っていた俺としては、何ともコメントし難い記事です。苦笑しつつ、顔色が青くなっていくのを感じます。
郵便屋さんの肖像ね。。。あれ見て、モデルの人はどう感じたんだろうと、いつも思います。
旅行記、大丈夫ですか? でもきっと、いろいろ書くうちに、癖が出てきて、それが鼻につく人もいるんじゃないかな。。。
でも、そんなこと考えていたら、何も書けなくなっちゃいますよね。
深く考えないことにしよう。
お久しぶり! ブログいつも拝見してますよ~♪
人を好きになると悩まなくていいことに悩んでしまったり、大変ですよね。。
まあそういう悩みも、ある意味、若者の特権だなあと、オバサンはちょっと(かなり)羨ましく思ったりするのです(^^;
「いつも拝見してますよ」なんて言われたら、私のような人間は舞い上がっちゃいますよ……!
若者の特権を乱用していると、どうやらオトナになった時に苦労してしまうようなので、「買ってでもしろ」と言われるほど高価な「若いうちの苦労」に先行投資(?)しています(^^;
以上、斎藤孝さんの本を通読して、わかった風なクチを聞くようになってしまった冷熱でした。
>「買ってでもしろ」と言われるほど高価な「若いうちの苦労」に先行投資(?)しています(^^;
ほーーー、なかなかうまいこと言いますね>その斎藤さん。
くれぐれも、変な株に投資しないようにしましょう!(笑)

