岡本隆三著「纏足物語」(東方選書)
2006年 04月 15日

ご存知のとおり、「纏足」は中国四千年の歴史の中で生まれた、世界に類を見ない奇習である。
「纏足を施された幼女はその痛みに耐えかねて毎夜泣く」というという程度のことは、かのパール・バックの「大地」で知っていたつもりだったが、改めて詳しい説明を読むと、胸が悪くなる思いだった。恐いもの見たさで一気に読んでしまったが。
一口で「足を縛って成長をとめてしまう」と言われても、どういうことなのかぴんとこないが、図説や写真が豊富に載っているので、非常にわかりやすい。わかりやすくて、とてもキモチワルイ。
これを愛らしいと思ったなんて・・・(絶句)
纏足が「夜の技巧」にも利用されたということも、なんとなく聞いてはいたが、この本を読んで、ある程度具体的にわかった。わかったけれど・・・よくわからん。
この風習は、ひそやかな残酷性という点で、史上、群を抜いているのかもしれないが、ひょんなきっかけで生まれた流行がいつしか伝統になり、人々がそれに従わざるを得なくなるということがあるというのは、厳然たる真実である。
人間、そして人間の社会というのは、なんと奇妙なものなのだろうか。
この本は、現時点において、熱帯雨林では入手不可能。
by foggykaoru | 2006-04-15 10:18 | 西洋以外の歴史 | Trackback | Comments(14)
靴ずれだけでもあんなにイタイのに、グルグル巻きに
縛るなんて、考えるだけで吐きそうです。
オンナが人間では無い、と知らしめる最たる風習・・・でしょうか。
ストレスで死んでしまう~でも、そんな弱い種は要らないから
ある意味優性遺伝の淘汰方法?げぇ・・・・
「纏足」は、昔、パールバックの「大地」に、纏足を捨てる次々世代の娘たちが育っていく様子が印象的に心に残っています。
また先年、テレビで最後に残った纏足世代の女性が、もう歳を取っているのに、普通に労働せねばならず、苦労している様子が映し出されていました。纏足の歴史は終わって良かったと思うのですが、過渡期にいた人たちの切なさが痛々しいです。
古書店街めぐりが趣味、というわけではないんですけれどね。
纏足は、やめるときも、ものすごい苦痛で、しかも纏足をやめた足というのは、恐ろしく醜いものになるのだとか。
そういう話を聞くと、なぜそんな風習が根付いたんだろう・・・と、最初の疑問に戻ってしまいます。

先日行った、「ナスカ展」でも変形された頭蓋骨が展示されていました。
ナスカでも幼児の頃に縛ったり、添え木を当てたりして頭蓋骨
を変形させる風習があったのですね。
コルセットも肋骨が変形していたそうです。
人体改造の風習は様々な時代・地域で存在していますが、その風習が廃れてしまうと、その存在意義が「謎」になってしまいますね。
ようこそ♪
纏足の詳細を読むと、頭蓋骨を変形させるほうがよっぽどマシなんじゃないかとさえ思えてきます。
ナスカの場合、たぶん、文書はあまり残っていないのでしょうね。「添え木を当てられた子供が痛みに耐えかねて毎夜泣く」なんてこと、あったのかしら?

インカでおでこを平らにするのと内斜視(寄り目)は普通の習慣みたいです。
「みっともない人体」という本にはいろいろな人体改造の事例が載っていました。写真をパラパラ見た程度ですが、現代の器具による骨格の補正のない時代の方が珍しいようです。
>「宦官物語」「纏足物語」に次いでは、「龍陽物語」すなわち中國の男色の文化史について書かれた本を読んでみたいもの!である。
という熱帯密林のコメントで、中国の文化史は奥が深いを通り越して気持ち悪いです。
戦前の中国の話だと思うのですが、纏足のおばさんがものすごい勢いでモノをかっさらっていった、というところが克明に覚えております。
纏足だろうと何だろうと、オバサンは強烈!という印象がために(爆)
中国の奇天烈といえば「宦官」。
中央公論新書で出ていましたが、最近再版だか文庫版かになったらしいです。
纏足以上にオソロシいですが、好奇心は満たされます・・・(爆)
纏足した足で走るんですか!? スゴイ!
纏足した足では、歩くのすら大変だけど、纏足のせいで血行が悪くなっているから、努力してたくさん歩かなくちゃならないんですって。ひえー気持ち悪いよー!!
ヨーロッパにはカストラートなんぞもいたぐらいだから、纏足に比べれば、宦官はきてれつ度が低いですよね。それでも理解に苦しむ風習だけど。
ノイズだらけだったんですが、その声、「ヒョーヒャー~~~」という高声で、ひょえーっ!とぶっ飛びそうになりましたです。
あっ、それ聞いたことがあります。どこがいいのかさっぱりわからなかったです。
「この程度のことのために、子供のときにつらい思いしてちょんぎっちゃったの?!」と思いました(笑)

あらためまして、ご教授いただき、ありがとうございます(爆)