ジェイン・オースティン著「マンスフィールド・パーク」
2006年 06月 13日
イギリス好きの友人の間で、ここ2、3年、静かなブームを呼んでいるのがジェイン・オースティン。この「マンスフィールド・パーク」もそんな友人が貸してくれたものです。
オースティンは10年くらい前に「自負と偏見」(「高慢と偏見」だったかも)を読みました。最近、キーラ・ナイトレイが主演した「プライドと偏見」(←観てないんだけど)の原作です。内容的には「主人公の女性が紆余曲折を経て幸せな結婚する」という話だった、ということ以外、さっぱり覚えていないのですが、とにかく印象が良かったことだけははっきり記憶しています。「オースティンはすごい」と思ったものです。
この「マンスフィールド・パーク」も、大筋としては「自負と偏見」と同じです。
主人公の女性が紆余曲折を経て幸せな結婚をする。
それだけなのに、なんと700ページ近くもある。
正直言って、最初は多少退屈なところもありました。
オバサンのどーでもいー長話とか。これがどうしようもなく非生産的。
それが、3分の1を過ぎるあたりから、がらっと変わりました。別に物語が急展開するわけではない。それどころか、ずっと同じです。でもなぜか、面白くてやめられなくなる。
これを私は「オースティン・マジック」と呼びたいと思います。(←なにを偉そうに)
オースティンに関しては、なにかというと「批判精神」が絶賛されるので、今さら同じことは言いたくないのですが、やっぱり言わざるを得ません。
中産階級に生まれて、死ぬまで田舎のお屋敷で平穏無事な生涯を送った(らしい)。
そんな女性に、いったいどうしてこんなに鋭い批判精神が育ったのだろう?
さらに、古い時代の価値観にのっとった話なのに、どうして古く感じられないのだろう?
これまた「オースティン・マジック」です。
蛇足ですが、この作品が書かれたのは1814年。19世紀初頭。
英国海軍でジャック・オーブリーが頑張っていた頃なのだなあと思うと、さらに感慨が深くなりました。
この本に関する情報はこちら
by foggykaoru | 2006-06-13 21:23 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)

ご紹介の「マンスフィールド・パーク」は未読です。
さっそく図書館に行ってみます~(^^)
オースティンの中では「高慢と偏見」をはじめに読んだのですが、
延々と続くおばさま方のおしゃべり、直接的には見せておらず、むしろおばさま方としては隠そうとしているのに、にじみ出てくる本音、
この辺りオースティンの冷めた目線を感じました。
かと思うと、ダーシー氏は一瞬たがが外れてしまったり(笑)。
面白かったです。
今思えば、これが「オースティン・マジック」だったのですね(笑)。
「エマ」
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4122000688/249-2517511-9459560?v=glance&n=465392
こちらも面白かったです。最後が唐突でしたが(苦笑)、これもまたこの時代的なのかも・・・などと思ったものです。