ジョンが参考にした本とは
2006年 07月 13日
「ツバメ号とアマゾン号」を読み始めて、はや半月。
とにかくのろのろ読んでます。
時には声に出して読むときも。
そうすると、すでによく知っていたはずの場面にも、意外な発見があります。
たとえば、釣りの場面の描写の詳細なことと言ったら!
いえ、詳細だということは重々承知していたんですですけどね。
けれど、ここまでとは思いませんんでした。
きっと釣り好きにはたまらないんだろうな。
ランサムは詳細なだけが取り柄かというと、決してそうではない、と私はかねがね思っているのですが、次の部分なんかもその良い例です。
蒸気船もランチもヨットも、ボートさえも、みんなツバメ号よりずっと大きかったので、土人の船だときめられた。ツバメ号とおなじくらいの大きさの船が、ダリエン岬のかなたからあらわれて、屋形船湾へ姿を消すのが見えたのは、島の生活も三日目になってからだった。
これは第七章「続島の生活」の一番最後の部分。
楽しいけれど平穏な島の生活の描写の後に、いよいよ事件が起こるわけですが、この文章はその予告編。章の最後にこういう文章があるのと無いのとでは、次の章への弾みが全く違います。しかも、船の大きさのことに言及したついでのような、実に自然な流れ。
こういうのをさらっと書けてしまうところが、ランサムが熟練の物書きである証拠だとつくづく思います。
今日読んだのは、第十七章「順風」。(旅に出る前に読み終わろうと思って、少しペースを上げてます)
ここを読んでいて、1つ疑問が湧きました。
「海戦ではね。」と、ジョンはある有名な本を思いだしながらいった。「二つのことが大切なんだ。つまり、じぶんたちのやりたいことを確実につかんでいること、そして、それを、敵がぜんぜん予期していない方法で実行することなんだ。」
この「ある有名な本」というのは何なのでしょう?
ネルソン提督あたりが書いた本?
by foggykaoru | 2006-07-13 21:28 | 児童書関連 | Trackback | Comments(5)

私これ聞いた…というか読んだことがあるんですが、ここ2日間、これじゃなかったか?というシーンを探して、手持ちの海洋小説ひっくりかえしてたんですが、記憶違いか該当シーンに当たらない。…私ももうトシなんだろうか?
確か…非力な小型艦で大型艦2隻以上を相手にしなければならないというシチュエーションだったと思うのだけど、その時に、このセリフと似たような発言をした18-19世紀の英国海軍の艦長を覚えていらっしゃいませんか?
ダドリ・ポープの可能性が高いと思うんですけど、ひょっとしたらアレクサンダー・ケントの小説かも。
と言っても、ポープもケントも戦後の作家(というか、このお二人はロジャとほとんど同い年)ですから、発表時期はランサムの方が早いんですが、もし私の記憶が正しければ、19世紀の初頭にこのシチュエーションはあるので「ある有名な本」は18世紀以前に書かれていたのではないかと思われます。
もしジョンのセリフの原語がわかれば、まるごとgoogleに放り込んでみると、以外と原典がわかるかもしれませんよ。

Tarboardに聞いてみれば知っている人がきっといそうです!
よかったら、原文を教えてくだされば代わりに聞いてみましょうか?
(私、1の原書持っていないので)。
でもかおるさんは自分でリサーチしたいかな?
もしよかったらどうぞ。
おお、Tarboardという手があったか!!
英語で掲示板に発言する勇気も英語力もないから、ぜひお願いします。
ただ、部屋の中があれでして、原書がどこにあるかよくわからないのです(汗)
見つけ出したら、原文、メールでお知らせしますね。回答が得られたら、「1929」に投稿お願いします。私は旅行にでかけてしまうから。。。

急がず待ってます。。