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アーサー・ランサムの影響について

児童文学作家の三輪裕子さんは、ランサムのような作品を書きたくて、作家になったのだそうです。なんと素晴らしいことなのでしょう。私は「旅」という触媒の助けを借りないと何も書けないし、しかも実際に見聞きしたことしか書けないので、三輪さんのように、創作ができる人が羨ましくてたまりません。
そんな私ですが、自ら書くとき、三輪さんとは違う形でランサムの影響を強く実感しています。もっと正確に言えば、意識してランサムを真似しているのです。

どう真似しているかというと…

第一に、何を飲み食いしたのかを、覚えている限り正確に書くこと。
食べ物の話に興味を持たない人はいません。
たとえその食べ物が、ゆでたまごやマーマレード付きパンなどといった、ごくありふれたものであっても、読者はよだれを垂らすものなのです(笑)

第二に、飲食物以外のディテールも、できる限り書き込むこと。
これが営業的(?)に正しいことなのかは、不明です。
「現代の子供は、ランサムのように物語の進展が遅い本は、根気が続かなくて読めない」という話を聞きますが、それはおそらく現代の大人も同じことなのではないでしょうか。実を言うと、私の旅行記は多くの人にとって長すぎるのではないか、もっと短くしたほうがアクセス数が増えるかもしれないとさえ思っています。思いながらも、書きたいように書いてます。趣味でやっているHPなのですから、自分の好みを追究しなくてどうする、ということです。

そしてもう1つ。
それは、地の文の中に、かぎかっこ無しで自分の感情を混ぜ込むこと。

たとえばこんなふうに。
 
火星人たちは、粛々と進んできた。
これは、ドロシアが思ったよりずっとやっかいな状態だった。
火星人たちがなにかいってくれるか、せめてほおんでくれるといいんだけど。
二つのグループは、斜面を三分の二ほどのぼったあたりで対面した。
(「長い冬休み」より)


テレビをつけ、ベッドに倒れ込み、そのまま眠った。ふと目覚めてテレビに目をやると、ローマ時代を舞台にした映画をやっていた。何という映画だろうかと耳を澄ませたら、台詞の中に「グラディエーター」という言葉が聞こえた。
とってもわかりやすいわ。
私は再び眠りに落ちた。
「マダガスカル旅行記---川の流れに身を任せ(16)」より)

これはランサムの影響というより、神宮輝夫先生の影響なのかもしれないけれど。でも、もとをたどればランサムの影響です。

by foggykaoru | 2005-01-31 20:59 | 児童書関連

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