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「青春文学の傑作」と呼ばれていますが

機内で観た映画ネタです。
原作が小説だから、ココでご紹介しようということで。

年末の旅はエールフランスだったので、映画のラインナップがフランス製に著しく偏っていました。
それはまあいいのですが、たとえばKLMあたりだったら、観たい映画を選択した時点で、その映画の放映が始まる。つまり、家庭でDVDを観るのと同じ感じで観られるのですが、エールフランスの場合、映画を放映するのはあちら。つまり、非常に幸運な場合を除き、すでに上映が始まっている映画の途中から観ることになるのです。だから、どういう内容なのか、把握するのが大変。
しかも、この映画の原作、私は今をさかのぼることウン十年前、マジメな学生だった頃、フランス語のお勉強の一環として読んだもの。そういう小説は何冊かあるのですが、どれもこれも、読解力不足のため、内容がいまいちよくわからないままだったりして(汗)

今回、サービスの悪いエールフランスのお陰で、数十年前に読んだときと同じ気分を味わうことができて、感慨無量でした(爆)

申し遅れました。
原題は「Le Grand Meaulnes」
邦題はいろいろ。「グラン・モーヌ」とか 「さすらいの青春」とか 「モーヌの大将」とか・・・
アラン・フルニエという夭折の作家による、「永遠の青春」を描いた傑作ということになっている作品です。

主演はジャン=バティスト・モニエ。
「コーラス」の主人公を演じて、一躍人気者になった男の子。
あのときほどフレッシュな魅力はないなあ。少年は老いやすいのだ。
しかし、変声期はまだ迎えていなくて、喋る声は美しいボーイソプラノ。
その声のまま、最後はちょびひげの一人前の教師になってるんです。きっついわ~

ビジュアル的な「買い」はジャン=バティストくんよりもむしろ、その先輩であるモーヌを演じているニコラ・デュショーヴェルくん。
彼はすごい。何がすごいって、アラン・ドロンの顔立ちと、ジェラール・フィリップの気品と繊細さを兼ね備えているのですから。

というわけで、これはフランスのジャニーズ系2人を観る映画なのです。

だからって、日本で公開されて、日本の女の子たちがきゃあきゃあ言って観に行くかというと・・・行かないだろうなあ。
っていうか、公開されないんじゃないかしら。
公開されるとしても、まさに単館、都内で1館でごく地味~にやってすぐ終わっちゃうのでは。

今回、機内で1回半観て、ようやくこの作品の筋を理解したのですが、今の日本では絶対にウケない話です。フランスでだって、ウケるかどうか疑問。
だからって、原作は悪くないと思うんですけどね。数十年前、細かいことがよくわからなくても、最後は胸がキュンとなったもの。

原作が名作として名高いから、若い売り出し中アイドルの映画を作ってみました、っていうことなのだろうと思うのです。
日本でいうと、山口百恵の「伊豆の踊子」とか、松田聖子の「野菊の墓」みたいな。って例が古すぎてごめん。


映画「Le Grand Meaulnes」の公式サイトはこちら

原作「Le Grand Meaulnes」とアラン・フルニエのファンサイトらしきものはこちらです。英語のページもあります。

by foggykaoru | 2007-01-21 12:41 | 普通の小説 | Trackback | Comments(8)

Commented by ケイ at 2007-01-21 15:19 x
> 原作が名作として名高いから、若い売り出し中アイドルの映画を作ってみました、っていうことなのだろうと思うのです。
> 日本でいうと、山口百恵の「伊豆の踊子」とか、松田聖子の「野菊の墓」みたいな。

すごいわかりやすい例で、よーくわかりました。
Commented by ゆきみ at 2007-01-21 22:37 x
三島由紀夫のエッセイ(だったかな?)に「若者が読むのではなく、年老いてから青春を懐古しつつ読む小説だ」というようなことが書いてありました。
確かにそうかもしれません。
私は若いときから好きでしたけど。
映画の公式サイトで流れる一場面に昔暗誦させられた一節を思い出しました。DVDでいいから見たいものです。
Commented by ケルン at 2007-01-22 00:32 x
へええ、見てみたいです~、これ。きっとフランスのきれいな田舎の風景がたくさん見られるのでしょうね。
この本は、高校生くらいのときに家にあったのを読んで、内容は忘れてしまいましたが、「フランスは他の国と地続きなのでずっと徒歩や電車で進んでいけばどこかに着く」(それとも、「どんな恐ろしい人が来るかわからない」だったかな?)という概念をこの本で知り、とても新鮮でした。1年ちょっと前に、『グラン・モーヌ』という題で新訳が出たのを買ってあるのですが、まだ読んでいない(汗)。読みます。

(この映画サイトに行ってみて、ロバート・ケネディ暗殺事件の映画がアメリカでできたことを知りました。この素材にしてはキャスト豪華すぎみたいですが、これも観たいです)
Commented by foggykaoru at 2007-01-22 21:04
ケイさん。
ダメですよん、こんな例でよくわかっちゃったら。
年がバレます(爆・爆)
Commented by foggykaoru at 2007-01-22 21:08
ゆきみさん。
>「若者が読むのではなく、年老いてから青春を懐古しつつ読む小説だ」
フランス文学にはそのタイプの小説が多いような気がします。
要するに、ガキ向けは少ない。
日本で映画が公開されなくても、DVDを入手することはできるんですけどね。
FNACとかでネット購入できるし、パリで買ってきてもいいし。
でも、それだと、日本語字幕が無いのよねえ。。。。
Commented by foggykaoru at 2007-01-22 21:11
ケルンさん。
おーおー! そんな文章、あったような気がします。
初めて海外旅行したとき、道を訊いたあとに「そこには歩いていけますか?」と質問すると、いつも答えが「ウィ!」でした。
で、歩いていくと、えらい遠くて。
へとへとになったあげく、「地続きだから歩いていけるのは当たり前なのだ!」と気づき「なんと馬鹿な質問をしたのだろう!」と非常に反省したものでした。
Commented by ケルン at 2007-01-23 20:37 x
母にその話をしたらとても懐かしがっています。
母は、昔映画化された白黒版をみたそうです。
後に、フランス語を少し勉強したときに、やはりこの本を教材として読んだそうです。既に結婚、出産した後でしたが、今よりは若かったので、内容とあわせてなんとなく「青春時代の思い出」というイメージで美しくおぼえているそうです。日本にこないかな。
Commented by foggykaoru at 2007-01-23 21:06
ケルンさん。
昔・・・白黒・・・
ということは、1970年代の「さすらいの青春」よりも古い映画なのでしょうね。
きっと何回も映画化されているんだろうなあ。
「伊豆の踊子」みたいに(←くどい?(爆))
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