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塩野米松著「イギリス職人ばなし」

「なかなか本が読めない」と愚痴をこぼしましたばかりですが、この本は読んでいたのです。ちびちび、ちびちびと。早く読めない本だったのです。
イギリスの職人のインタビュー集です。

その内訳は
・ビヤ樽職人(ラム酒の樽ではないが、樽は樽)
・ほうき職人
・釘鍛冶
・ふいごづくり職人
・コラクル舟職人
・バスケット職人
・屋根葺き師
・町の鍛冶屋

古本屋でふらふらと買ってしまったのは、「樽・ほうき・ふいご」のせいです。(と言ってわかってくださるのはランサム・ファンの方だけですね(苦笑))
ふいごの写真も載っています。

問題は、それぞれの品々の作り方の説明。そういう細かい手順をきちんと読みとって頭の中で再現することが好きな人にはいいのですが、私はそれが大の苦手。どうしても斜め読みになってしまう。
最初の頃は、なんとか努力してきちんと読んだのですが、だんだん耐えられなくなり、結局斜め読みになってしまいました。

いちばん面白かったのは「ほうき職人」でしょうか。
エリザベス女王御用達のほうきを作っている職人です。
時代の流れとともに、周囲の同業者がどんどん消えていって、結局彼1人になってしまった。だから仕事に恵まれた。彼は繰り返し「時代に恵まれた」と言います。時代遅れの仕事を続けたことが、却って幸いするということもあるのですね。

あと、「コラクル」です。
私はこの舟の名前、知っていました。でも、どうして知っているのか、どこで聞いたのか、さっぱり記憶がありません。
ものの構造の説明が苦手な私でも、このコラクルの話は手にとるように理解できました。
曰く「コラクルにはキール(竜骨)がない。そのかわりにリーボードという板が横についていて、風に向かっていくときはそれを水の中におろす。すると、竜骨と同じ役割を果たす。ヨットのセンターボードの役と同じ」

あと、職人が使う木材として大活躍しているのがヘーゼル。ハシバミですな。
枝がまっすぐなので、ほうきの柄にするのにぴったりなのだそうです。


著者自らがあとがきで述べているように、全体的に、職人たちの話しぶりがビジネスライクでドライな感じです。期待したものとはちょっと違いました。

しみじみとした「職人ばなし」は、日本人の職人に聞くのが一番なのかも。


この本に関する情報はこちら

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by foggykaoru | 2007-02-10 10:24 | その他のジャンルの本

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