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ドラ・ド・ヨング著「あらしの前」「あらしのあと」

子どもの頃、題名に惹かれて読んだのだが、期待ほどではなかったような記憶がある。第二次大戦前後のオランダの家庭の話だったこと、この本のオランダの地図を見て、「ユトレヒト」という町の名前を知ったということだけ、覚えていた。
旅行者としてオランダに行ったことのある今の私が、この本をどう感じるのかということに興味があり、再読してみた。ユトレヒトにはまだ行ったことがないので、何か参考になることがあるかも、という気持ちもあった。

読んでみて・・・
ユトレヒトはちっとも出てこないのね。
それにしても、、、ヤッパリアンマリオモシロクナイ・・・
「あらしのあと」のほうはまあいい。
でも、「あらしの前」は途中で眠くなり、数ページ飛ばしてしまったことを、今ここに告白する(苦笑)

作者ヨングはオランダ人だが、戦争を嫌ってアメリカに移住し、それからこれら2作を発表し、アメリカで評判をとったらしい。それを吉野源三郎氏が翻訳して日本に紹介した。
アメリカで評判になったのはよくわかる。一家族の「戦前」「戦後」を描くことによって、「戦時中」を想像させるというのは、なかなかうまい手法だし、ヨーロッパを舞台にしながら、アメリカ(人)も上手に登場させている。

それでもいまいち面白くないのはなぜか。

翻訳の問題なのだろうと思う。
今の子どもの目からは訳が古すぎるらしいランサムの作品を読み慣れているオバサンにすら、この日本語訳は古臭すぎる。たとえば、子どもたちの言葉遣いが現実離れしていて、家族の会話という実感が湧かない。岩波少年文庫に収録されているこの2作、現在は絶版らしい。こんなに古臭かったら絶版になってもしかたがないんじゃないか。
地の文ならいいかというと、これがまたどういうわけか、非常に読みにくい。児童書だから、ごくごく平易な日本語なのである。なのに読みにくい。私の好みに合わないだけなのだろうか。

吉野源三郎といえば「君たちはどう生きるか」の著者。
名著とよばれるこの本、中学のときに読んだけれど、これまたあまり感動しなかったことを覚えている。
アマゾンの書評を見ると、絶賛されているけれど。
メッセージ性が強くていかにも「ためになる」いう感じの本は好きじゃない、私は楽しむために本を読んでいきたいんだ、というようなことを感じたような気がする。

でも、ひょっとしたら、内容に興味を持てなかっただけではなくて、文章に魅力を感じなかったことが大きいのかも。
吉野氏のファンのみなさん、ごめんなさい。

「あらしの前」に関する情報はこちら
「あらしのあと」に関する情報はこちら

by foggykaoru | 2007-04-10 21:06 | 児童書関連 | Trackback | Comments(2)

Commented by ケルン at 2007-04-13 00:01
この本は、図書館へ行くと読まなければならないような気がする本のひとつでした。
(このサイズと厚さで、翻訳ものは端から読んでいたので)
でも、表紙は憶えているのに、読み終えたかどうかどうも記憶がありません。当時は今と違って、はじめた本は途中でやめなかったはずなので、読んだはずなんだけど印象がないんです。。吉野源三郎訳だったのですね。
『君たちはどう生きるか』は、中学に入ってすぐ必読図書になっていて、国語の時間にプリントまで配られてみんなで読みました。私も「いかにも模範的」なその雰囲気を敬遠していました...。
Commented by foggykaoru at 2007-04-13 21:35
ケルンさん。
>読まなければならないような気がする本のひとつでした。
あーその感じ、わかりますぅ。
邦題もうまいんだと思います。
原題は「The Level Land」。主人公一家の住む屋敷の名前です。これを「レヴェル・ランド」と訳してるのはちょっと芸が無いなぁ。
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