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ベルヴィル・ランデブー(2)

ベルヴィル・ランデブー(1)の続きです。

「指輪物語」に登場する"Sackville-Baggins"は、瀬田貞二氏の訳では「サックル=バギンズ」。あれも「サックヴィル=バギンズ」のほうがいいのかな?と思ったあなたはかなりの幽鬼です(笑)

一昔前までは、多くの日本人にとって、「ヴ」という音はなじみがなく、ちょっと前までは"Beethoven"は「ベートーン」でした。
最近は、英語の影響で"v"の音を発音できる人が多くなってきたためか、「ベートーヴェン」になりつつあります。

さて、言語学の立場では、これをどう考えるのでしょうか。




「学者というのは、細かいことにうるさそうだから、『発音どおりに書くべきだ』と言うのだろう」とお思いになるかもしれませんが、実はそうではないのです。
元来、日本語には"v"の音は存在しない。
それに、「ウ」に濁点をつける表記法が正式だというわけではないので、"va"とか"vi"をわざわざ「ヴァ」「ヴィ」と書く必要はない。
第一、外国語の音を日本語の仮名で表記するのは、便宜的なものにすぎません。どっちみち、正確には表記できないのです。
また、書く際に「あれっ、これは"b"だったかな? それとも"v"?」と悩んで、いちいち綴りを確かめなければならないのは、「日本語の表記法」としてはふさわしくない。
というわけで、すべてを「バビブベボ」で統一するべきだと考えます。

だから、"Belleville"は「ベルビル」がよい。
"rendez-vous"も「ランデブー」で一向にかまわない。
この二つを合わせた「ベルビル・ランデブー」、言語学的にはこれが正解。

でもこれって、なんとなく、サマにならないというか、オシャレ感が足りない?

ベルビル・ランデブー
ベルビル・ランデヴー
ベルヴィル・ランデブー
ベルヴィル・ランデヴー

映画配給会社は、この中で一番見た目が良い(と担当者が思った)ものを、採用したのでしょうね。

by foggykaoru | 2005-02-10 19:38 | バベルの塔 | Trackback | Comments(4)

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Commented by pipina_tuc at 2005-02-13 23:59
わーい!予想が正解でした!外国語をカタカナ表記するのって、とっても難しいですよね。私はブログの名前をつけるとき、「ドラゴベルデ」にするか「ドラゴヴェルデ」にするか、考えました。
赤坂見附の駅直結ビル「ベルビー」はBelleVieだから「ベルヴィー」と言うべきなのか、以前から気になっていました。これからは、迷わず言えると思います。
Commented by foggykaoru at 2005-02-14 21:22
言語学的には"V"の音も「バビブベボ」で表記していいんだけど、実際はその人の好きずきにまかされているということですよね。
私の場合、こんな記事を書きながら、旅行情報を書くときは「ベネチア」じゃなくて「ヴェネツィア」にします。ほんとうにイタリアに行くつもりの人には、やはり、少しでも現地の発音に近い音を教えるほうがいいかも、、、という気持ちが働くから。
Commented by at 2005-02-16 01:07 x
ベルヴィル・ランデブーは私も2回見ました。センスとしか言いようのないものが最高。

言語学にというか英語も漢文もダメダメ生徒な私としてはさっぱり想像が付かず、「へー」な話題でした。
そういえば昔、ジとディだったかなこのあたりの発音がだんだん曖昧になってきたという話を聞いたことがあります。オとヲも違う発音のはずなのに同じですね。ブとうヴがそのうち区別されなくなっていくのかもしれませんね。そうなれば日本人にとってありがたいのかな。
Commented by foggykaoru at 2005-02-16 21:13
蓮さん、長らく頑張っていたタカシマヤタイムズスクエアでしたが、ついにベルヴィル・ランデブー、終わってしまいました。
日本語はヴが存在しない言語で、これが日本語の音として音韻体系に組み込まれるには、ひじょーに長い時間がかかると思います。いくら日本人が英語に堪能になって、"V"を発音できるようになっても。
英語で"B"と"V"が区別されなくなりつつあるという流れがあるかどうか、不勉強なので知りませんが、もしあったとしても、これまた私たちが生きているうちには、変わらないんじゃないかなぁ。。。

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