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ラテン語はできますか?

あれっぽというのは「ランサマイトへの77+7の質問」の中の1つ。
私の答えは
「大学で1年やったんですが、なんにも覚えてません。『この辞書はわたしのもの。証人は神様』まで言えます。『アヴェ・マリア』を歌えます 」
なのですが、これははしょった答え。
もっと正確に言うと、
「大学のときに1年やったけれど、その1年間で習い覚えたことよりも、『アヴェ・マリア』を歌い覚えて理解したことのほうが、よっぽど多い」なのです。

ラテン語の授業をあえてとったのは、「ヨーロッパの言語や文化の根幹をなしているのはラテン語だ」という、至極真面目な理由と、もう1つ、「メーンサ、メーンサ、メーンサム」を暗誦できるかもしれないという、オタクな動機がありました。

でも、1度としてやらなかったのですよ。メーンサ、メーンサ、メーンサムは(涙)

そして語尾変化に圧倒されまくりの1年は茫然自失のうちに終わりました。
なにしろ語尾を見ればその単語が文中でどういう働きをしているかわかるから、語順はどうとでもなる。だから、先行詞すら、どこにでも置くことができる。つまり、関係代名詞の「先」に出てくるとは限らない。「後」から出てくるかもしれない・・・
・・・だったら「先行詞」って呼ばないでよ。

で、アヴェ・マリアです。
歌詞はかなり前から歌い覚えていました。
その歌詞がカトリックの「天使祝詞」という祈りの文句そのままなのです。
このことに気付いたのは、たまたまこの祈りを覚えてから、さらに20年ぐらい後のことで、気付いたその瞬間はけっこう感動しました。

ここでその「天使祝詞」のご紹介。
上からラテン語
フランス語(私の超イイカゲン訳。しかもアクサン記号抜き)
日本語の順。

Ave Maria, gratia plena
[Ave Maria, pleine de grace]
めでたし聖寵満ちみてるマリア
Dominus te cum
[Le Seigneur est avec toi]
主、おん身とともにまします
Benedicta tu in murieribus
[Tu es beneficiee en femme]
おん身は女のうちにて祝せられ
Et benedictus fructris ventris tui iesus
[Et Jesus, le fruit de ton ventre, est beneficie]
ご胎内のおん子イエズスも祝せられたもう
Sancta Maria, mater dei
[Sainte Marie, mere de dieu]
天子のおん母、聖マリア
Ora pro nobis peccatoribus
[Prie pour nous pecheurs]
nunc et in hora mortis nostrae
[maintenant et a l'heure de notre mort]
罪びとなる我らのために
今も臨終のときも祈りたまえ


私は信者ではないけれど、このお祈り、好きなんです。リズムがよくて。だから1、2度聴いた程度で自然に覚えてしまったわけで。つくづく文語体というのは美しいと思います。

でも最近はめっきり唱えられることが減ったのだそうな。
「やっぱりキリスト教は聖母マリアよりもイエス・キリスト。原点に立ち返ろう!」ということらしいのですが、この美しい祈りが忘れ去られるのは、ちょっと残念な気がします。





真面目な学徒のためにアップしておきます。
ただし、アクサン記号は省略したので、あしからず。

Je vous salue, Marie, pleine de grace
le Seigneur est avec vous
Vous etes benie entre toutes les femmes,
et Jesus, le fruit de vos entrailles, est beni.
Sainte Marie, Mere de Dieu,
priez pour nous pauvres pecheurs,
maintenant et a l'heure de notre mort.


私はラテン語の二人称単数tuを、ごく単純に、フランス語のtuに置き換えました。
でも、このほんとうのフランス語訳ではvousが使われています。このほうが丁寧。

「Je vous salue, Marie」に関しては次項をご覧ください。

by foggykaoru | 2007-07-02 20:54 | バベルの塔 | Trackback | Comments(18)

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Commented by サグレス at 2007-07-03 06:40 x
カトリック聖歌集にも載っている、アルカデルトのアヴェ・マリア、歌いました♪ 歌も、Ave Mariaはとびきり美しいのが多いですよね。

地母神信仰を飲み込んでマリア信仰とし、冬至のお祭り→サトゥルヌス神のお祭りを飲み込んでクリスマスとした、比較的融通無碍なカトリックでも、「原点に立ち返ろう」という動きがあるのですね。融通無碍なところがカトリックの魅力のような気がしていましたが(クリスチャンでない人間の勝手な感想かもしれませんが・・・)。
Commented by むっつり at 2007-07-03 06:49 x
ラテン語…
ユリウス・カエサルの「来た・見た・勝った」の手紙がラテン語だと韻をふんだ明朗な言葉だそうで…
その程度の知識しか有りません
ローマの公用語として欧州・地中海の基本となった言葉なんですけれど…あまりにも縁遠い存在です
Commented by fu-ga at 2007-07-03 07:01 x
我が家にもなぜか「羅和辞典」があります(笑)
Ave Mariaはきれいですね。
日本語訳は、やはり文語が美しいと思います。
今の教会では主の祈りも使途信条も口語で唱えられますが、
やっぱり文語のほうがリズムもいいし、美しいです。
といっても、Ave Mariaは口語でしか唱えられないのですが(笑)
プロテスタントのほうは、主の祈りも使途信条も昔のままですが、
讃美歌が大きく変わり、同じ曲でも、歌詞がかわりました。
それがすごく嫌です。(嫌といっても、もうプロテスタのじゃないんだけれど。。)
Commented by ラッコ庵 at 2007-07-03 07:41 x
ラテン語って、1時間目じゃありませんでしたか?私はそれで断念しました^^;。「サルヴェレジナ」は今でも歌えます。大昔、パリのノートルダム寺院に行ったらちょうどミサ中で、「サルヴェレジナ」を歌っていたので一緒に歌っちゃった。

天使祝詞は英語でも習いました。

ほーりーめありーまざーおぶごっど。
ぷれいふぉーあすしなーず

何十年もたつのに忘れないものですね。
Commented by AngRophile at 2007-07-03 16:13 x
ラテン語は2年の時に聴講届だけ出しましたが、一ヶ月ともちませんでした。
もともと現在話されていない言葉には興味がなく、ラテン語、古典ギリシャ語、サンスクリットはディープな(印欧語族)外国語学習者には必須と言われても、夢中になれず。

とは、いっても卒業後、ン十年経って、印欧語族の源流をたずねて、アイスランド語やリトアニア語勉強するんですから、やっぱり頭が柔らかいうちにやっとけばよかったのかなぁ。

現代ギリシャ語は、Teach Youself で大学のころ、ちょっとだけかじって、面白かったのを覚えてます。

あんとろぽす=人間
おのま=名前

アンスロポロジーだ!とかオノマトペだ!とか、喜んでました。
Commented by リンゴ畑 at 2007-07-03 20:45 x
初めてお邪魔します。
アヴェ・マリア…って、なぜか野生動物がいちばん安定する曲みたいです。実は朝の散歩で、小鳥たちにパンケーキを持って行ってるのですが、スズメもハトもカラスもカモも、ウシガエルものら猫も、他の曲よりもアヴェ・マリアを口笛で吹くと、みなおとなしくなるのです。(グリ-ンスリーリーブスとか、おじいさんの時計とか試しましたが。)ラテン語で歌えないので残念です。
Commented by foggykaoru at 2007-07-03 20:59
サグレスさん。
「アヴェマリア」という歌曲は歌い継がれていくんだと思います。
だって名曲が多いですもの。
あと、よくわからないけれど、「ロザリオの祈り」というのは、この「天使祝詞」を唱えるものらしい・・・
Commented by foggykaoru at 2007-07-03 21:01
むっつりさん。
語学とか西洋史に興味がないと、ラテン語は遠い存在だと思います。
私はそっち方面のオタクでもあるので・・・(苦笑)
Commented by foggykaoru at 2007-07-03 21:02
fu-gaさん。
そうそう、「主の祈り」!!
そのあたりの話もまた書きますので、どうぞお待ちくださいね!
Commented by foggykaoru at 2007-07-03 21:04
ラッコ庵さん。
ラテン語の授業、私の頃は夕方でしたよ。5時過ぎから始まるんです。
って、1年しか違わないはずなのに。。。
天使祝詞も英語で教わったんですか。すごいなあ。
Commented by foggykaoru at 2007-07-03 21:08
あんぐろふぁいるさん。
>もともと現在話されていない言葉には興味がなく
そうそう、言語というのは使われていてこそ、学習する気になれるわけで。
だから、ラテン語よりももっとやる気になれないのが漢文だった・・・。

でも、バチカンでは今も公用語なんですって。
「将来バチカンで働くことがあるかもしれない」という立場にいたら、もっとしっかり勉強できたかもー(爆・爆・爆)
Commented by foggykaoru at 2007-07-03 21:10
リンゴ畑さん。
>野生動物がいちばん安定する曲
「アヴェマリア」は、歌詞はみんな同じだけれど、曲はいろいろたくさんあるから。
どの曲のことなのかしら・・・
どれでも同じ効果があるのか?! 
あなどれんぞ聖母マリア!
Commented by ゆきみ at 2007-07-04 01:00 x
こんばんは。出遅れました。
ロザリオの祈りは主祷文一回と天使祝詞十回のワンセットを何回も繰り返すはずです。
サグレスさんが書いていらっしゃるあたりの本を今読んでいます。気を抜くと何が書いてあるかわからなくなるんですが、面白いです。(亀の歩み) 土着の信仰をひどく傷つけずにどう布教するかなんていう手紙も載っていました。聖パトリックの布教の姿勢も有名ですよね。
そこがカトリックの面白いところだよね、とつい先日友人と話したばかりです。
今じりじり勉強している北欧神話も、成文化した頃はアイスランドがキリスト教化したあとだったそうで何らかの影響が見られるようです。
…dieuが小文字になってますね。…つまんないつっこみでごめんなさい。
Commented by ケルン at 2007-07-04 12:11 x
>だから、ラテン語よりももっとやる気になれないのが漢文だった・・・。

漢文は、法則を覚えてしまえば読めるのと、イメージが雄大できりっとしているのが良く、高校のときは日本語の古文より好きでした。もう忘れてしまったけれど。
でもあの方法は、日本語にあわせて読めるようにしたやりかた(返り点とかなんとか)なので、漢字の中国語の発音なんか考えなくてもよかったし、ましてそれでコミュニケーションをとるなんてまったく別の話でした。まあ、当時から語学より文学に興味が傾いていたので、それで十分楽しんでいました。

>ラテン語って、1時間目じゃありませんでしたか?私はそれで断念しました
>ラテン語の授業、私の頃は夕方でしたよ。5時過ぎから始まるんです。

あら。。私のときは0時間めでした(当時の私には不可能でした)。
Commented by foggykaoru at 2007-07-04 20:47
ゆきみさん。
いよっ、御大登場!!(笑)
ロザリオの祈りでは主の祈りも唱えるんですね。知らなかった・・・
dieuという単語はいつ大文字にするのか、よくわかんなかったりします。
今日、まともな仏語訳もアップしたので、それに免じて赦してください。
Commented by foggykaoru at 2007-07-04 20:49
ケルンさん。
文学好きには漢文は面白いでしょうね。
中国人にすら通じないやり方で昔の中国語を解読するというのが、根本的に納得できなかったという私は、やっぱり語学人間なのでしょう。(かなりイイカゲンではありますが)

私のとき、0時間目なんてなかったですよ。
Commented by ラッコ庵 at 2007-07-05 07:36 x
あら、1時間目はギリシャ語だったっけ?とにかく、早いか遅いかであきらめました。
>ケルンさん
私も高校のときは漢文大好きでした。あれはもはや中国語と言うより日本文学の一部なのでしょうが、「漢文調」が格調高くてかっこいいと思っていました。
最近は受験の古文にも必要ない大学が多いので、勉強する高校が減っているらしいけれど日本語にとって残念なことです。
Commented by サグレス at 2007-07-05 23:34 x
ゆきみさん、
そうそう、アイスランドで文字として記録されたエッダの最古のものでも、結構新しいんですよね。12世紀くらいでしたっけ? でも北欧はキリスト教化が遅かったので、影響が出ていると言ってもそれほど強くないような気がします。

聖パトリックは好きな聖人です(クリスチャンではない私ですが・・・)。理由は、彼のおかげでアイルランドに妖精が残ったから、です♪

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