わかりやすいのはいいことですが
2007年 07月 04日
「天使祝詞」の日本語訳の口語体を見つけたので、ご紹介。
文語体と読み比べてみてください。
恵みあふれる聖マリア
主はあなたとともにおられます。
主はあなたを選び、祝福し、
あなたの子イエスも祝福されました。
神の母 聖マリア
罪深いわたしたちのために
今も死を迎えるときも祈ってください。
つ、つまんない・・・
全然ありがたみがない。
そりゃこっちのほうがよくわかるけどさ。
by foggykaoru | 2007-07-04 20:08 | バベルの塔 | Trackback | Comments(13)
P.S.
2日前に書きましたアヴェ・マリアの曲は、シューベルトでした。パンケーキをまくと、ハトやカラスが奪い合うように食べ始めるのですが、この曲を口笛で吹くと、なぜかけんかをやめるのです。ウシガエルも安心して鳴き始めるし、警戒心の強いスズメもネコも寄ってきます。不思議な曲です。
「こんなネタ、一般ウケしないだろうなあ」と思って書いてる「ラテン語&お祈りシリーズ」なのに、皆さんの食いつきがみょーにいいので、びっくりしています(苦笑)
>昔の映画は、出てくる人たちの顔が、今の人たちの顔と違って、すごく雰囲気がありましたよね。ちょっと、そんな感じです。
なんて素晴らしい比喩なのでしょう!!
山田君、リンゴ畑さんに座布団1枚!
格調ってものが感じられません。分かりやすさを選択したんでしょうが、お祈りなんだから、マリア様にお願いしているんだから、もうちっと格調があってもよいのでは・・・。
(っていうのは、非キリスト教徒の単なる願望ですが・・・)
仏教の場合は、お経というのはよく分からないものですし、分かろうと思わなくてもいいものみたいです(もちろん、勉強して分かるようになったっていいんですが、そもそも仏教は言語化しきれない部分を重んじているようです)。
しかしキリスト教の場合は、やっぱり「はじめに言葉ありき」なんていうくらいですから、言葉とその意味を重要視する素地が最初からあるのでしょうね。その延長線上にルターによる聖書のドイツ語訳もあるのでしょうし、ひいては日本でも口語への移行があるのでしょう。文語の格調を愛する者としては残念ですが・・・。
シェイクスピアだって、原文は文語みたいなものです。ねー。
キリスト教は、何はなくとも聖書と讃美歌ですものね。
日本の人も昔はお経を唱えたりしていたのだろうけれど、聖書がその土地の言葉に訳されるのと違って、お経は、一般に広めるために現代日本語に訳されたりはしていないですよね。
それに文語体は意外とリズム感があります
そう、リズム感があるんですよ。
「めでたし聖寵満ちみてるマリア」の部分は、まるで教会のパイプオルガンのようだし、「天子のおん母 聖マリア」は、2つの「ん」が、まるでスタッカートのように感じられて、私は好きなんですよ~
真言宗でも口語のお経もあります。でも、漢文のお経も多く、さらに「これは呪文??」というような古代インド語(サンスクリットなのかパーリなのか分かりませんが)もいっぱい出てきます。そういうのを訳そうという試みは、少なくとも真言宗ではあまりないようです(密教なので、そもそもマントラが多いのかも)。仏教でも、宗派によって「お経事情」は色々違いそうですよね。
大学の授業で、マクベスを原語で読むというのがありまして、不勉強なわたしは適当に出席だけしていたので、ろくすっぽ覚えてないのですが、強烈に印象が強く、今でも覚えている一節があります。
The multitudinous seas incarnadine, making the green one red.
「うねりにうねる大海の水を朱に染めて、あの青さを赤一色に変えてしまうだろう」
小田島さん、福田さん訳がどうなっているかは、今手元にないのでわからないのですが、大意は上の通り。
ここで教授が解説していたのが、前半部分の「まるてぃてゅーでぃなす」「いんかーなだいん」というまずお目にかからない重厚長大な単語、その間に平易で短く簡潔な「海」が入ることで独特のリズムが生まれる、みたいなこと。
なぜ20年以上も経って、この科白だけが頭に残っているのかわかりません。
ひゃー、ラテン語と見まごうほどの、長ったらしい単語ですね!
そんな単語が英語にあるなんて。
英語ってほんとに語彙が多いです・・・っていうより、もしかしてシェークスピアの造語?!

