「アズールとアスマール」
2007年 09月 09日
フランス製アニメ。こういう映画を観に行くのは、個人的趣味というより、職業的義務感に駆られている面が多分にあるのですが、観てよかったです。
とにかくきれい。
「めくるめく映像美」というのはまさにこういう作品のことを言うのでしょう。
筋立ては単純。昔話みたいな世界です。「ありえない」「ばかげている」と言う人は、この映画に求めるものを間違っています。
とはいえ、内容が無いわけではなくて、その正反対。
「異文化はありのままに受け入れなくてはならない」という、強烈なメッセージがこめられています。
イスラムに対する理解とか、イスラムの問題を自分の問題として考えるということに関しては、フランスは(現大統領は別として)アメリカの一歩も二歩も先に行っているのだということを、改めて認識させられます。
国内に多くのイスラム系移民を抱えているのですから、当たり前といえば当たり前なのですけれどね。第一、作者自身がイスラム圏に長く暮らした人ですし。
こんなにすごい映画が単館で細々としか公開されないなんて、今の日本は間違ってるとも思うんです。
ところで、題名の「Azur et Asmar」について。
「azur」は、かの「Cote d'Azur コート・ダジュール」の「アジュール」の部分。「紺碧」という意味です。(発音は「アズール」でも「アジュール」でもなくて、「アズュール」が正しい。)
「asmar」もきっと色を表すはず、と思って、「ce que veut dire asmar(asmarが意味するもの)」で検索してみました。
引っかかったのはこれ
「映画作品を授業に活用する」という主旨の、フランスの先生御用達サイトの中の1ページ。
Leurs noms commencent et se terminent par la meme lettre, chacun de ces deux noms a une origine arabe et a trait a une couleur propre au personnage qu'il designe: azur signifie "bleu clair" et asmar veut dire "teint basane".(彼らの名前は同じ音で始まり、同じ音で終わる。これらはともにアラビア語を語源とする単語であり、「azur」は「明るい青」を、「asmar」は「赤銅色の肌」を意味する。)
なるほどね。
ところで、この映画は、アラビア語が多用されていて、その部分には字幕はありません。言葉がわからない国に行ったときの気持ちを観客に実感させるためなのでしょう。
だから、「この映画は吹き替え版を見たほうがいい」という意見はうなずけます。フランス語を勉強している人はぜひ字幕版を。とてもはっきりした聞きやすい台詞ですから、勉強になります。
でも東京では14日までしかやってないんです・・・(T_T)
この映画の公式サイトはこちら。右上の「出発」をクリックしてください。
by foggykaoru | 2007-09-09 18:40 | 観もの・聞きもの | Trackback(1) | Comments(4)

今日は涼しい雨ふりです。 今日こそ仕事するぞ! といいながら、今日二本目の日記って・・・ でも、忘れないうちに書かなければ。 酷暑の昨日、渋谷のシネマ・アンジェリカに、「アズールとアスマール」を見に行きました。 アズールとアスマール (「出発」をクリックしてね) フランスのアニメーションで、翻訳演出がジブリの高畑勲さん。「なんかきれいそう」以外の予備知識をまったく持たずに行ったのですが、ほんとに美しくて眼福モノでした。 ピクサーとかと全然ちがう、こういうCGの使い方もいいですね。...... more

とても美しい。
14日までだともう行けない。残念。
公式サイトのフラッシュ版、全然文字を読み切れなかった。情けない。あれって、あのスピードで読めます?

多様性と両立…
ご存知なくてもしょうがないです。ほとんど宣伝してないもの。
アニメ好きか、フランス好きで、そっちの方面にアンテナを張ってないと気付かないと思うんです。
公式のフラッシュ、実はあんまりよく観てないんです。そんなに速いの?