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「カサビアンカ」に関する一考察(追記しました)

松本侑子氏の本に唐突に出てきた「カサビアンカ」。
これはフランス人にしては非常に珍しい名前です。
というより、イタリア語そのもの。

「bianca」は「白い」の女性形。(だからミス・ビアンカは白いネズミでなくてはならない。)
「bianca」の男性形は「bianco」。白ワインを「ヴィーノ・ビアン」と言うのは、「vino」が男性名詞だから、形容詞も男性形を使うのです。
「a」で終わる名詞は女性名詞。だから形容詞も女性形「ビアン」を使う。

「カサ」という発音の単語は「cassa」というのがあります。
これは「箱」、英語の「case」です。
私としては、これよりもむしろ「カーザ」と発音する「casa(=家)」説を提唱(?)したいところなのです(ちなみに、スペイン語で「白い家」は「casa blanca カサブランカ」です)が、どっちにしても、なぜこんなイタリア臭い名前なのでしょう?

ここでひらめいたのは、カサビアンカ氏がナポレオン戦争時代の人だったということ。
ナポレオンはコルシカ島出身。
コルシカというのは、フランス領になっているのは何かの間違いじゃないかと思いたくなるほど、イタリアに近い。実際、フランス領になったのは、ナポレオンが生まれるほんの数十年前のことで、それまではずっとイタリアに属していた。
当然、コルシカ方言というのは、イタリア語に近い。現在もそうです。
ナポレオン・ボナパルトはもともとナポレオーネ・ブオナパルテという、こてこてのイタリア系の名前だったのを、自分でフランス風に改名したのです。
ナポレオンはコルシカ時代の仲間たちを重用したことで知られています。
だから、カサビアンカ氏もコルシカ出身者なのかも。
そう考えれば、イタリア的な名前であることにも納得がいきます。

それにしても、イタリアでもCassabiancaやCasabiancaという苗字は珍しいのではないかと思います。
WhitecaseとかWhitehouseという苗字を聞いたことがないのと同じことで。

[追記]
サグレスさんが「カサビアンカ」の原詩を見つけてくださいました。
こちらです。
綴りは「Casabianca」なんですね。
さらに「casa」の発音は「カーザ」でななくて「カーサ」である、とぬまべさんが指摘してくださいました。
これでシニョール、じゃない、ムッシュー・カ(-)サビアンカが、ミスター・ホワイトハウス、つまり「白家(白宅、白タク?)氏」だったということが明らかになったわけです。
しかし、3年も4年も月謝払って勉強したのに、そんな基本語の発音すら忘れてしまったとは・・・! ああ、死にゆく脳細胞に合掌(涙)

by foggykaoru | 2007-10-20 09:13 | 西洋史関連

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