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ランサム三昧の日々(5): 波止場の楽隊

ARCの総会の日、今世紀、ランサム界の音楽部門をリードしていくであろう(爆)、ある楽団がデビューを果たしました。

その名も「ランサム雑奏団」。

今をさかのぼること数ヶ月前、ARCの重鎮であるMinnowさん・天文台さん一家の新居のお披露目がありました。そのとき、見せてもらったのが「はるかなリオへ」の合奏譜。なんでも、ご夫妻の結婚式の披露宴で、お二人を含む室内楽団によって演奏されたものだったそうです。
しかしこの楽譜、かなりアレンジが高級で、初見では到底弾けない・・・というか、相当練習しても並みの人には弾けない、弾けるのはある程度オケで経験を積んだ人に限られる、という代物。だから、かつて演奏されたときも、多くの非会員の力を借りたのだそうです。

---会員だけで楽しめるような、もっと簡単なアレンジ譜があればねえ。
---じゃ、作ってみようか!

というのが発端。

とは言え、いったい誰が演奏するのか? 楽器すら定かでないのに。
とりあえず、学生オケ経験者であるMinnowさんのチェロ、Titmouseさんのクラリネットは確定。
「ロジャのおもちゃのブリキの笛」こと、ティンホイッスルをたしなんでいる人も数人いる。
あと、バイオリン経験者も二人いるけれど、最近はほとんど弾いていないとか、手持ちのバイオリンは駒が壊れているとかで、ちょっと無理みたい。天文台さんがリコーダー希望だから、リコーダーにしてみる?
そうだ、ケルンさんはビオラを習っていらっしゃるんだった!
でも、私の音楽性では四部の楽譜を作るのが限界。弦楽器は管楽器に音量で劣るから、チェロと同パートということにしていただきましょう。よしっ、これでキマリね。

こんな超テキトーな感じで作ったのが「はるかなリオへ」。
Minnow家に集まって、それなりに楽しく練習した後で、Minnowさんから「『スペインの淑女』もできないかしら?」という話が出ました。

うーん、そうねえ。。。

快諾しなかったのには訳があります。

「スペインの淑女」は同じメロディーの繰り返しだし、「ズンチャッチャ」という単調なリズムで、演奏してもあんまり面白くない曲なのです。

渋る私にMinnowさんは、ARCの草創期、ブリティッシュ・カウンシルの図書室に通い詰めてつきとめた「『スペインの淑女』の真実」を語り始めました。

そもそも「スペインの淑女」は短調の曲だった。かの映画「マスター&コマンダー」でちらりと歌われているとおり。あれは19世紀初頭だから、時代考証がきちんとなされているわけ。その後、時代を経るにつれてメロディーが変化し、1920~30年頃には長調の曲になっていた。だからARCではあのメロディーで歌っているのである・・・

---だから、最初は「マスター&コマンダー」のメロディーで始めて、途中で長調に転調するようにしてみない?
---そうねえ、それなら面白くなるかもね。やってみる。

せっかく総会で演奏するんだったら、最後は楽器が伴奏に回って、他の人たちに歌ってもらおうと思いつき、完成したのが「スペインの淑女in 2007」でした。

結局、本番まで一度も全員揃って練習することができず、総会当日は他の人たちがゲームに興じている間に、寸暇を惜しんで波止場会館の駐車場で練習したりして。
まさに薄氷を踏む思いの旗揚げ公演でした。

シーシャンティーとは海の男たちの歌。ソプラノには全く向きません。だから合奏用のアレンジ譜を作るついでに、自分のためにソプラノのハモリを作って歌いたかった、というのが私の本音でした。でも成り行きで指揮をしなくちゃならなくなって、ハモリどころじゃありません。第一、指揮なんてやったことないし、すっごく恥ずかしかったよー。

暖かい拍手をいただき、心からほっとしました。

言い出しっぺとは言え、Minnowさんの気合いには頭が下がりました。なにしろ当日、横浜とは全く違う方向の職場経由で会場までチェロを抱えていらしたのですから。

私としては、「はるかなリオへ」のアレンジは能力の限界まで頑張ったのですが、「スペインの淑女」はまだ改良の余地があります。
第二回公演には、バージョンアップしたものをお聴かせできるかもなので、乞うご期待! あっ、でも期待しすぎないでね(笑)

ランサム三昧の日々(5): 波止場の楽隊_c0025724_21414172.jpg

(上の写真は気圧計さんにお借りしました)

ランサム三昧最終日はこちら

by foggykaoru | 2007-12-07 21:03 | ほんとうの生活 | Trackback | Comments(13)

Commented by タサ at 2007-12-08 09:19 x
すごい!!
聞きたい!!

ああ、こういうとき、距離をかんじますぅ!!!

関西方面では、イベントや集まり最近ないのかなぁ。
なかなか参加できないけど、関西にパワーは「いつかわたしも!」と思える、パワーの源の一つなんですよね。

そうだ、「いつか一人で関東へ!」これも目標の一つに入れようかなぁ。
Commented by naru at 2007-12-08 22:25 x
たしかに素晴らしい演奏でした!!通常のコンサートでは見られ(もとい、聴け)ないような楽器が堂々とハーモニーを奏でていたのが、とても印象的でした!そんなご苦労をなさったとは。団員の皆様が大変楽しそうでしたから、楽々合わせていらしたのかと。
Commented by foggykaoru at 2007-12-09 09:41
タサさん。
関西のメンバーは、お1人で上京なさった折りに関東メンバーが食事会を企画したりしてますが、関西メンバー同士はあまり交流がないのかな?
数年前にはかなりランサム度の高い食事会があったみたいです。情報が入ったらお知らせしますね。
あと、関東においでの際は声をおかけください。
女性1人限定の宿のお世話をいたしますので(^^;
Commented by foggykaoru at 2007-12-09 09:44
naruさん。
このときの演奏を動画で記録していた人がいて、見せて&聴かせてもらったのですが、意外と(!?)ちゃんと演奏していたので、正直びっくり(苦笑)
次回(あるのか?)はnaruさんもよろしかったらご一緒しませんか?
Commented by naru at 2007-12-09 11:08 x
ろーりんぐすとーんさん、 せっかくのお誘いですが、はっきりいってムリで~~す。私楽器苦手なんです。
Commented by KIKI at 2007-12-09 20:42 x
あの素晴らしい演奏にはそのような秘話(?)があったとは!!
この編成でよく楽譜うまいこと使えてるなぁと思ったらアレンジなさって
たのですね。かおるさんスゴイスゴイ!
もっともっとできる曲を増やしていって演奏会イベントできるようにして下さい♪
とさりげなくリクエスト。
Commented by KIKI at 2007-12-09 20:46 x
横ですが>>タサさま

はじめまして。私は今は関東に住んでますが、数年後には(っていつだか…)
関西に戻る予定なのでその時は一緒に何かイベントいたしましょう♪
Commented by ケルン at 2007-12-09 23:26 x
へええ、始まりはそういうことだったんですか~~。全然知りませんでした。
(一応メンバーのくせに)
はるかなリオへ、のオリジナルMinnowさん版も、どんなのか聴いてみたいです。しみじみと良い曲ですよね。
Commented by foggykaoru at 2007-12-10 21:27
naruさん。
まあまあそうおっしゃらずに。
人生には何が起こるかわかりませんから(爆・爆)
Commented by foggykaoru at 2007-12-10 21:28
KIKIさん。
えっ、楽器うまく使えてました? うわー嬉しい♪
Commented by foggykaoru at 2007-12-10 21:30
ケルンさん。
そうなんですよー すべては新居のお祝いの日に始まったのです。
>オリジナルMinnowさん版
16分音符の羅列でしたよ。あれはあんぐろふぁいるさんでないと弾けません。
Commented by ケルン at 2007-12-11 00:05 x
>>オリジナルMinnowさん版
>16分音符の羅列でしたよ。あれはあんぐろふぁいるさんでないと弾けません。

「弾きたい」んじゃなく「聴きたい」んですもの♪ あんぐろふぁいるさん、楽しみです~
Commented by AngRophile at 2007-12-11 18:52 x
じゃ、グラーベかレントでお願いします。
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