宮尾登美子作「天璋院篤姫」
2008年 01月 12日
今年の大河ドラマだという意識もなく、貸してもらったので、なんとなく読み始めたのですが、面白かったです。特に上巻が。友人の「心理描写が多いこの作品をドラマ化するのはたいへんそうだ」と感想には同感。篤姫の心理描写は、たとえて言うなら「指輪物語」の後半のサムの心理描写のよう。あのあたり、PJの映画ではぜーんぜん描けませんでしたからね。
篤姫が将軍に輿入れしたいきさつとか、いわゆる「女にしておくのはもったいない」女性だったということは、なんとなく知ってましたが、これを読んで、「もしも男だったら」という妄想にとらわれてしまいました。
もしも男だったら、島津斉彬の養子になったかも。
斉彬の死後、周囲はまっぷたつに割れたかも。
でも、たぶん、賢く久光に譲って、久光の片腕としてがんばって、明治新政府でそれなりの地位を得たかも。
維新における薩摩の二大ヒーロー、西郷隆盛と大久保利通は、その後違う道を進むことになり、結果的に大久保は「うまいことやりやがった奴」と(薩摩では)憎まれ、西郷は「我らが西郷どん」として敬愛されるようになったんだけど、もしも篤姫が男だったら、両方を束ねることができたかも?
つまり、西南戦争は起きなかったかも?
(あくまでも妄想ですので突っ込まないでください)
あと、「女三界に家無し」とか、身分制度というのは、自分自身はその中には絶対に身を置きたくないものですが、そういう「しばり」というのは結局モラルだし、美学なのです。これは女性に限らない。「武士のやせ我慢」という表現もあるけれど、昨今、やせ我慢が無さ過ぎるのかも。その根幹は「プライド」なんだろうな。篤姫は知性に裏打ちされたプライドをもって生きたということなのでしょう。彼女にふさわしい形容詞は「素晴らしい」とか「立派」では物足りない。いちばんぴったりくるのは「あっぱれ」なのかも。
大河の公式サイトでキャスティングを見たんですが、主役の宮崎あおいって誰?
家定役の堺雅人はちょっと見てみたいです。
斉彬役が高橋英樹かあ・・・
高橋英樹は確か「翔ぶが如く」で久光役だったような。
まっ、大昔は美貌の側用人・柳沢吉保役だった石坂浩二が、しばらくしたら吉良上野介役になったときみたいな衝撃はありませんが。
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by foggykaoru | 2008-01-12 10:04 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(16)

幕末ものってことと、わたしの田舎が鹿児島でして、
「西郷さんの悪口はご法度」でございます^_^;
初回、けっこうわたし的には気に入りました。
原作読もうと思うのですが、図書館にはありません。
予約もいっぱいみたい・・・。

大義に殉じるだけの度量か゜あったでしょうから
ほんとドラマはどうやって進めていくんでしょうね?
心理描写より表(男幕府社会)が最後メインになってそう・・・。
宮崎あおいさんは結構色々な映画で主役をはることが多い期待されてる女優さんです。有名は有名です。

主役を渡り合った若手女優です。
私としてはあの顔が好みで、可愛いと思います。うまく伸びれば「美形の 大竹しのぶ」になりえるかも、と個人的には思っています。

でも大河ドラマは原作の設定だけいただいた別物になることが多いので、今回も人物像が変わっていきそうで不安です…。
宮崎あおいはNHKの連続テレビ小説でも主役を演じたことのある女優さんです。

確か、前に北村薫『スキップ』のドラマ版で竹下恵子の娘役(高校生)をやっていたような。
NHKの朝のドラマで昭和初期を舞台にピアノに情熱を燃やす女性を演じてました。
その相手役のエリートピアニストが、その後『のだめ』でオーボエの黒木くんをやりました。
境雅人さんって『新撰組!』で切腹させないでコールが高かった人ですよね。
鹿児島出身の知人がいるのですが、地元の○ータリー財団の留学生試験の面接で「西郷さんをどう思うか」と訊かれたそうです。
そこで西郷さんの偉大さをえんえん語ったところ、「おお、君はよくわかっている!」と誉められ、合格したのだそうです(^^;

はまるかどうかはわかりませんが、ここまでの印象はいいですね。
歴史上の人物としては全く知りませんでしたが、薩摩藩家老の調所(ずしょ)さん役の平幹ニ郎の演技がよかった。最近の大河はあまり大物がでないので、ストーリーを追うだけで、演技を堪能のいうことはあまりなかったのですが。(そもそも大河ってほとんど見てない)
とは言っても2回めであっけなく自害...
実は私もココのみなさんのコメントに刺激されて、第二回を見ちゃいました(^^;
>平幹ニ郎
こういう大物が出演するのがやっぱりさすがNHK、さすが大河です。
しかし、まだ全然原作の物語には入っていない・・・。
なまじっか原作を読んでいないほうがいいのかなあ。

以前から読みたいのですが、図書館で貸し出し中で・・・やっぱりこれも大河ドラマ人気のせいでしょうか?