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「物語 イタリアの歴史Ⅱ」

中公文庫の「物語 ○○の歴史」シリーズの中でもピカ一の面白さなのが「物語 イタリアの歴史」。その第二弾が出ていたんだ!と喜んだら、著者の藤沢道郎氏は2001年にお亡くなりになっていたのですね。この本の巻末の著者紹介で知りました。

ということで、これは氏の生前にNHKのテキストに連載されていた記事をまとめたもの。

第一弾がよかったからという理由で出される続編というのは、しょせん二番煎じだし、著者が亡くなってから他の人がまとめた本というのも、たいていは今ひとつなものだが、これはなかなか良い。もちろん、藤沢氏自らが手を入れたらもっと良いものになっただろうけれど。

個人的には教皇たちにまつわる物語を面白く読んだ。
6世紀末のグレゴリウス(イタリア名グレゴリオ)1世。これはちゃんとした教皇。
10世紀の教皇の母マローツィア。これはかなりの悪女。猛女ともいえる。
そして14世紀のボニファティウス8世。これがどうしようもない奴で、、「教皇のアヴィニヨン幽囚」のきっかけを作ってしまったわけだが、彼と対立したのがフランス国王フィリップ美顔王だったということを改めて確認して、感慨深かった。かの「テンプル騎士団」をぶっつぶしたのもフィリップだったから。
グレゴリウスはともかく、あとの二人のドロドロ加減と言ったら。でもそこが面白い。
イタリアの歴史というのは、どうしてもローマ教会の歴史が関わらざるを得ない。そして、それこそがイタリア史の醍醐味なのだと思う。

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by foggykaoru | 2008-05-01 20:20 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(2)

Commented by むっつり at 2008-05-02 01:58 x
ローマは帝国時代には世界の首都と呼ばれましたし、以降はカトリックの総本山
ルネッサンスのゆりかごになったフィレンツェは教皇領に隣接していますし…
その複雑な歴史は魅力的ですよね
権謀術数が駆け巡る人間ドラマが延々と積み重なっていますから
「物語」としては面白いです
現実に自分が巻き込まれるとしたら、勘弁して欲しいですけれど…
Commented by foggykaoru at 2008-05-02 22:41
むっつりさん。
>現実に自分が巻き込まれるとしたら
なにしろ教皇庁ですもん。
あまりにも遠い世界だから、心ゆくまで野次馬的に楽しめます(笑)
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