「物語 イタリアの歴史Ⅱ」
2008年 05月 01日
ということで、これは氏の生前にNHKのテキストに連載されていた記事をまとめたもの。
第一弾がよかったからという理由で出される続編というのは、しょせん二番煎じだし、著者が亡くなってから他の人がまとめた本というのも、たいていは今ひとつなものだが、これはなかなか良い。もちろん、藤沢氏自らが手を入れたらもっと良いものになっただろうけれど。
個人的には教皇たちにまつわる物語を面白く読んだ。
6世紀末のグレゴリウス(イタリア名グレゴリオ)1世。これはちゃんとした教皇。
10世紀の教皇の母マローツィア。これはかなりの悪女。猛女ともいえる。
そして14世紀のボニファティウス8世。これがどうしようもない奴で、、「教皇のアヴィニヨン幽囚」のきっかけを作ってしまったわけだが、彼と対立したのがフランス国王フィリップ美顔王だったということを改めて確認して、感慨深かった。かの「テンプル騎士団」をぶっつぶしたのもフィリップだったから。
グレゴリウスはともかく、あとの二人のドロドロ加減と言ったら。でもそこが面白い。
イタリアの歴史というのは、どうしてもローマ教会の歴史が関わらざるを得ない。そして、それこそがイタリア史の醍醐味なのだと思う。
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by foggykaoru | 2008-05-01 20:20 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(2)

ルネッサンスのゆりかごになったフィレンツェは教皇領に隣接していますし…
その複雑な歴史は魅力的ですよね
権謀術数が駆け巡る人間ドラマが延々と積み重なっていますから
「物語」としては面白いです
現実に自分が巻き込まれるとしたら、勘弁して欲しいですけれど…