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「インカに眠る氷の少女」

インカ関連の本は去年メキシコで1冊読んだのだが、もうちょっと読んでおいてもいいかなと思って手にとった次第。


インカ帝国の人々は、神へのいけにえを捧げた。
ここまでは他の地域の人々も同じだが、いけにえを捧げた場所がさすがインカ。アンデスの山々の頂なのである。

そしてそのいけにえは、高地という特殊な環境下において、ミイラとなった・・・

そのミイラを発見し、研究するのが「高地考古学」という分野の研究者たち。
この本の著者であるヨハン・ラインハルト氏もそのひとり。
「インカの完全な姿のミイラを発見したい」
この夢を追い求めて、ラインハルトさん頑張る頑張る。

身1つで数百メートルの山に登るだけでも大変なのに、登山家は何十キロもの荷物とともに数千メートル級の山に登るのである。それだけでも驚異の世界なのに、高地考古学者ときたら、発掘や発見物の保存に必要な機材を運び上げ、5000~6000メートル級の山々で延々と作業を行うのである。発掘のために山に登っても、メンバーの4分の1くらいは高地に適応できずにダウンしてしまうのだそうな。
そんなキツイ研究をわざわざ好き好んでやるなんて、物好きとしか言いようがない。いろんな人がいるもんだなあ。世界は広い。

でも、そういう人々のお陰で、我々凡人は数百年前の少女の生きているような姿を目の当たりにすることができるのだ。

高地考古学者のみなさん、ご苦労様です。
そして、どうもありがとうございます。


この本に関する情報はこちら


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by foggykaoru | 2008-06-03 21:05 | 西洋以外の歴史 | Trackback | Comments(6)

Commented by ケルン at 2008-06-03 23:51
この間、アフリカ旅行でキリマンジャロに登った人たちのことをTVでやっていました。高山病になるし、寒いし、すごく大変そうだったのですが、重い機材をかついで、両手をふさがれて同行している取材陣はもっとすごい!と思いながら見ていました。登頂できてよかったよかった。
Commented by むっつり at 2008-06-04 01:23
撲殺された少女ですね
でも、将来の生活に必要なものが供えられていた…
泉に沈められた少女達と同じく、人間世界から神々への使者という位置づけだったのでしょうね
独特の宗教観は他人事でしたら魅惑的な世界です
Commented by foggykaoru at 2008-06-04 20:43
ケルンさん。
そうそう、撮影隊も大変。
とにかく、自分が登るだけじゃすまないんですよね。ほんとにご苦労なことで。
Commented by foggykaoru at 2008-06-04 20:44
むっつりさん。
お酒を飲ませて意識がもうろうとなったところで撲殺するのは、苦しめないためだったらしいです。
父親が進んで我が娘をいけにえにささげたりしたこともあったらしいですね。
Commented by よきし at 2008-06-21 08:48
インカを巡る児童文学では、やなぎやけいこさんがおすすめです。
「はるかなる黄金帝国」と「まぼろしの都のインカたち」の二部作です。
Commented by foggykaoru at 2008-06-21 12:35
よきしさん。
そうでした、よきしさんに以前教えていただいたんでした。
今度図書館で探してみますね♪
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