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「ジャガイモの世界史」

パラパラっと見て、「ジャガイモの原産地はペルーのティティカカ湖畔」と書いてあったので、読んでみた。

著者の伊藤章治という人は大学の先生だが、もと新聞記者。だから、学術的というよりルポ的で読みやすい。

ジャガイモは「厳しいアンデスの高地で生育する→寒冷地で栽培するのに適している」ということで、その後の世界の食生活を大きく変えた。寒さに強いかわりに、病気にはなりやすい。それでジャガイモに依存したアイルランドはジャガイモ飢饉で地獄を見た。日本はジャガイモが生育するにはちょっとばかり温暖過ぎる(北海道を除く)ので、かなり努力して品種改良しなくてはならなかった。

「日本のジャガイモは美味しくないから嫌い」と言う友人がいる。
確かにヨーロッパに比べると味が落ちるけれど、それは無理して作ったからなんだな。

いろいろなデータが収録されているが、いちばん興味深かったのは「国別ひとりあたり消費量」。
上から
ベラルーシ・キルギスタン・ウクライナ・ラトビア・ポーランド・ロシア・ポルトガル・イギリス・エストニア・アイルランド・オランダ・スペイン・ペルー・ドイツ・ニュージーランド・フランス・アメリカ・北朝鮮・ボリビア・イタリア・中国・日本

ドイツって、ジャガイモとキャベツとソーセージばかり食べてる印象が強いんだけど、案外少ないんだ。
ポルトガルが案外多いな。そういえばあの国の「おふくろの味」は「塩ダラとじゃがいもの炒め煮」だったっけ。
絶品のフライドポテト、あれは確かベルギーだったような。それともオランダだったかな?
スペインでジャガイモを食べた記憶は無いんだけど。
原産地ペルーはさすがにいまだに南米でトップなのね。

本に関する情報はこちら

by foggykaoru | 2008-07-14 21:33 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(24)

Commented by snowy_opal at 2008-07-14 21:54
ブータンもじゃが芋がよく出てきましたが、とても美味しいじゃが芋なので驚きました。
Commented by むっつり at 2008-07-14 22:56
流石にロシアは上位ですね
かつてのシベリア抑留者の食事は僅かな量のジャガイモだけだったそうです
相次ぐ餓死者にたまりかねた捕虜の代表がロシア人のところに抗議に行ったらソ連兵の食事も生のタマネギがある以外は同じ内容だったとか?

そう言えば、近所の畑に植わっているのは里芋かサツマイモ
ジャガイモは見た事がありません
気候が適さないのですね
Commented by ふるき at 2008-07-14 23:38
 じゃがいもが到来する前のドイツ料理、同じくトマトの無いイタリア料理。南米からの産物がもたらされる前の料理はどんなのだったのかしら?
 タラも世界的な交易品で、ブラジルにもタラの干し物の料理があるそうですが、これはポルトガルとのつながりがあったからでしょうか?
Commented by AngRophile at 2008-07-15 12:04
絶品のフライドポテト in べるぎー。
ポムフリットのことでしょうか?
Commented by foggykaoru at 2008-07-15 21:15
オパールさん。
南米原産のジャガイモがブータンにたどり着くのにどのぐらいかかったんでしょうね。
気候風土が似ているから、日本と違って美味しいジャガイモができるんですね。
Commented by foggykaoru at 2008-07-15 21:17
むっつりさん。
この本には世界各地に広まったジャガイモが、どれほど人々の命を救ったかということが書いてあって、シベリア抑留のことももちろん書いてあります。
Commented by foggykaoru at 2008-07-15 21:18
ふるきさん。
そう、トマトの無いイタリア料理は想像を絶します。
ブラジルにもタラの干物の料理があるんですか! 肉ばかり食べてるんじゃないんですね!! 
Commented by foggykaoru at 2008-07-15 21:19
あんぐろふぁいるさん。
そう、フライドポテト、フランス語圏ではポムフリット。
街角で売っているのが絶品だったんです。あれはどこの町だったかなあ。
Commented by Titmouse at 2008-07-15 23:01
先週じゃがいも掘りを手伝ったので、ただ今山のようなじゃがいもと格闘中。この1週間の消費量ならわが家もドイツ並みかも?! 今週末には盆踊りのおでん用に皮をむきまくる「ポートとスターボードごっこ」(笑)が控えています。
Commented by elfarran_in at 2008-07-15 23:14
へええ~意外にドイツが下のほうなので驚いてます^^;
昨日、フランス人の英会話の先生と欧州には山芋がない、
という話で盛り上がった所です。タイムリー(笑)
では、山芋は少し温暖な地の方がよいのでしょうかね?
面白いですね。。。最近の美味しい品種で“インカの目覚め”とか
あるんですよね~里帰りかしら~(爆)
食品の歴史、面白いですよね!!ホント。
Commented by 椿若菜 at 2008-07-16 01:31
パスタのつけあわせにジャガイモが出てくるアイルランドよりも、こんなにたくさんジャガイモを食べる国があることに驚きました。ドイツもチェコもアイルランドも中華系、もしくはベトナム系食材店で里芋を売っているのをみかけるようになりました。「芋」と名のつくものでは里芋が一番好きな私です。
Commented by foggykaoru at 2008-07-16 21:33
Titmouseさん。
おでんにジャガイモ!!
うちの母は入れないので、食べたことがないんですが、美味しそうですね♪
Commented by foggykaoru at 2008-07-16 21:34
Elfarranさん。
でしょ、ドイツが案外下位でびっくりでしょ。
山芋は確かにヨーロッパではお目にかかったことないです。
Commented by foggykaoru at 2008-07-16 21:36
椿若菜さん。
でしょ、アイルランドよりたくさん食べる国がこんなにあるなんて、びっくりでしょ。
1位のベラルーシがどれほどたくさん食べるのか、想像を絶します。
Commented by むっつり at 2008-07-17 01:43
>、トマトの無いイタリア料理は想像を絶します。
かつてのローマ帝国の貴族は長いすに横ににってご馳走をたらふく食べたと言いますが、新大陸からの食材のない料理って現在の感覚からすれば質素ですね
一週間も続けば我慢できないかも?
Commented by mog at 2008-07-17 11:45
☆「絶対にサトイモ。サトイモじゃないのはトン汁じゃないわ!!」
 10年以上昔になるかな?
 学校のバザーで毎年保護者がつくるトン汁が売られます。前日の準備を手伝っている時にトン汁責任者の方の会話が耳に。
 わがやは旦那がじゃが好きなもんで、トン汁もオデンもじゃが入り。
 最近は、インカの目覚めとか皮が赤いのとかいろいろ出てきました。
 茹で芋じゃなくて蒸かしじゃがも美味しかったな。
 でも、日本で一番のじゃが料理はやっぱり肉じゃがしかないんじゃないかしら??
 入れる肉によってグレードの差がでますけどね...♪
 うちは、牛バラ肉をたっくんいれるのが、好きですね。
Commented by pepparkaka at 2008-07-17 15:39
Foggyさん、こんにちは!
ときどき遊びにきていたのですが、
コメントするのは、初めてだったような・・・ 気がします。

で、わたしも、mogさんの学校のトン汁責任者の方同様、
「サトイモじゃないのはトン汁じゃないわ!!」派 です。
(「トン汁責任者」って、笑えますね)
好きなわりには、洗ったり皮をむいたりが面倒なので、
気合いが入らないと、なかなか買いませんが。。。

じゃがいも、タマネギより、里芋、長ねぎ。

海外は、限られた国しか行ったことがないのですがが、
北欧のじゃがいもは、美味しかったです。

今は、大家さんが古くからの農家なので、
よくお野菜を買ったり、いただいたりしていて、
大家さんがつくるじゃがいもは、とても美味しい!

子どもの頃は、じゃがいものお味噌汁が好きでなかったけれど、
今は、好きです。
ついでに、タマネギやキャベツのお味噌汁も、
お味噌汁が甘くなるので、イヤだったのですが、
今は、好きです。

Commented by AngRophile at 2008-07-17 17:17
少し前にテレビで、ローマ時代の料理の再現をやっていました。カエサルの頃の料理だったと思います。全体的にニョッキやポレンタのような黄色味を帯びた料理ばかりだったような。にんにくはたくさん使っていたみたいです。
Commented by foggykaoru at 2008-07-18 22:09
むっつりさん。
人類の食生活において、新大陸発見は大きかったですよねー
Commented by foggykaoru at 2008-07-18 22:10
mogさん。
今でこそ「日本古来のおふくろの味」みたいな顔している「肉じゃが」ですが、実はすごく新しいメニューなんですよねー
そのこともこの本には書いてありました。
Commented by foggykaoru at 2008-07-18 22:13
pepparkakaさん。
ようこそ♪
私はサトイモ、自分で料理したことがないんです。
だから私のトン汁にはサトイモは入ってません。
そもそもイモ類が必須、ということもよく知りませんでした。勉強になります♪
Commented by foggykaoru at 2008-07-18 22:14
あんぐろふぁいるさん。
昔の再現料理って全く食指が動かないです。
ローマ時代はオリーブもたくさん使っていたんでしょうねえ。
Commented by サグレス at 2008-07-21 00:09
トマトのないイタリア料理と同じくらい想像しにくいのは、トウガラシのない韓国料理とインド料理とタイ料理ではありますまいか。トウガラシ伝来以前は、ショウガを使っていたのかしら?

>昔の再現料理
ハーブとオリーブ(オイル)とワインがあれば、何とかなりそうな気はします。そしてこれらが到来する前のヨーロッパのお料理こそ・・・、想像を絶しますね。
ベラルーシの人々は、ジャガイモ到来前は何を食べていたんでしょう??
Commented by foggykaoru at 2008-07-24 20:45
サグレスさん。
>ベラルーシの人々は、ジャガイモ到来前は何を食べていたんでしょう??
人はいなかった、とか?(爆)
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