月魚

三浦しをんの小説。
古書店を営む若者と、その幼馴染である「せどり屋」の物語。

うーんおもしろい。
同じ古書店がらみの小説として、「ビブリア古書堂の事件手帖」があるけれど、こっちのほうが断然おもしろい。

で、なにがおもしろいって、2人の若者の関係性。
BLではないのだけれど、その香りが濃密。
そーゆー記述は一切無いんです。念のため。
でも、さすが「腐女子」を自称する三浦しをん。
書いてないことを想像させるのがうまい!










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# by foggykaoru | 2018-04-24 21:03 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

獅子文六の小説二編

「青春怪談」
獅子文六のユーモア恋愛小説。
前に読んだ「胡椒息子」よりもぐっと時代が下る。戦後です。1954年発表。
どうってことないんだけど、後半になると、性というかジェンダーに関して、獅子文六って時代を先取りしてる?とちょっとびっくりな話になるのでした。

「コーヒーと恋愛」
こちらは1962年の作品。
フェミニズムとまではいかないけれど、これまた(今だったら普通だけど)当時としてはちょっと先進的な結末。

獅子文六はフランス通。
奥さんもフランス人だった。
(お孫さんを見かけたことがあります。大学の先輩だったんで)

フランスといえば(というのも変だけど)
「女性は女性に生まれるのではない。女性になるのだ」
という言葉で有名な、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの「第二の性」。
日本でも、インテリだったら絶対に知っていた。
フランス通の獅子文六だったら、フランス語で読んでいたかもしれない。
影響も受けたはず。

調べてみたら、「第二の性」は1949年発表。邦訳が出版されたのは1953-55年。
やっぱりね。







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# by foggykaoru | 2018-04-20 22:27 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

ぼくは猟師になった

最近、ちょこちょこ猟師関連本を読んでるのは、内澤旬子さんの影響です。
小豆島に移住した話に、猟をしているということがちらっと書いてあったから。

で、今回のこの本の著者は千松信也という人。
京都大学まで出て、猟師になっちゃったのです。
猟師と言っても、銃は使わない「ワナ猟」の専門家です。
しかも、プロではない。
あくまでも「自分の食べる肉は自分で調達したい」というポリシーで猟をしているので、普段は運送会社の社員として働いている。

親は嘆くよね・・・
でも、本人がそういう人生を望んだんだし、幸せな人だと思う。

ワナ猟とは言っても、ワナにかかった動物の息の根をとめるのは大仕事。
特に手負いのイノシシをしとめるのは命がけ。
自分でやりたいとは思わないけれど、大変興味深いです。

で、この本にも書いてあったけど、今、猟師は必要とされているのです。

興味深いんだよね。
でも無理。絶対無理。


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# by foggykaoru | 2018-04-08 19:01 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

すごい駅!

副題は「秘境駅、絶景駅、消えた駅」

「全駅下車達成者」横見浩彦氏と「秘境駅訪問家」牛山隆信氏のオタク対談。

牛山氏の他の本で紹介された駅がかなり重複して出てくるけれど、もうほとんど忘れちゃってるから問題ない(自爆)

対談時には存在していた駅のうち、少なからずがこの文庫刊行時にすでに廃止されてしまっているのが切ない。
「テツ」じゃない私ですら、「うかうかしてたらなくなちゃうから、急がなくちゃ!」という気分になってしまった。

バス路線もどんどん減っているのだろうな。
テレビでやってる「路線バス乗継の旅」も、年々難易度が上がっているんだろう。



ここから先は脱線。

私は日本の辺鄙なところを旅したことはないが、ヨーロッパの田舎をバスで苦労して回ったことはけっこうある。
ヨーロピアンはみんな車で廻るから、バス便がとても少なくて、ようやく来たバスはがらがら。乗客は私1人だったり。

たとえばポルトガルのモンサラーシュ。
あそこに行くバスは、遠からず廃止になるんじゃないか。
バスターミナルの窓口の人すら、時刻を把握してなかったし。えっ、ポルトガルだから?!(核爆)
自力で行きたい人は急いだほうがいいかもよ。


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# by foggykaoru | 2018-04-06 21:25 | その他のジャンルの本 | Trackback | Comments(0)

白洲家関連のお話あれこれ

すっかりサボってしまいましたが、実は友人たちと誘い合って3月に鶴川の「武相荘」に行ってきました。
興味深いもので、特に本に埋もれた感じの正子の書斎が印象的でした。
お昼時に行ったので、ランチもとりました。
ちょっとお値段が張るのですが、なかなか美味しかったです。

私たちが出るとき、旗を立てた団体客が入ってきたのには驚きました。

で、武相荘訪問の準備として、次郎・正子の娘である牧山桂子さんの「白洲家の晩ごはん」「次郎と正子」を読みました。
武相荘のショップで「Play fast」と書かれたTシャツを見かけて、「Play first(まず遊べ)じゃなくてfastなのはなぜ?」と思ったのですが、そのあとで読んだ桂子さんのご亭主である圭男さんの「白洲家の日々---娘婿が見た次郎と正子」を読んで謎が解けました。
このplayはゴルフのこと。
次郎が常々、「ゴルフのプレーはさっさとプレーしろ」と言っていたからだったんです。

いちばん面白かったのは、「舅が次郎、姑が正子、その二人の娘が嫁だなんて、大変そうだ」と言われていた圭男さんの言葉です。
それは「台風の目の中にいるようなものだった」

いやー 存在自体が面白い家族ですな。








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# by foggykaoru | 2018-04-01 22:25 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

小泉武夫の食エッセイ2つ

「猟師の肉は腐らない」で興味を惹かれ、小泉武夫の食エッセイを2冊読みました。

ひとつは「地球怪食紀行」
サブタイトルが「鋼の胃袋 世界を飛ぶ」
その名のとおり、著者が世界津々浦々で食した不思議な食べ物の話。
最大のポイントは「猟師の肉は・・・」の主人公のモデルである「八溝の義っしゃん」が登場すること。

もう一つは「不味い!」
こっちのほうが考えさせられることが多い。
一口に「不味い」と言っても、食習慣の違う国や地域の食べ物を不味いと感じるのは、まあその人の勝手です。(そういうタイプの話だけを集めたのが「世界怪食紀行」)
でも、食に関する産業の問題点(効率重視だったり)が凝縮された結果作られてしまう不味いもののほうは、なんとか減らしてほしいものです。

どちらの本にも登場して、世界最強なんだろうなと思わせるのは、スウェーデンのシュールストレミングという「地獄の缶詰」。
やばすぎます。
でも、スウェーデンにはこれを好物とする人がいるからこそ、ずっと作られ続けているんですよね・・・


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# by foggykaoru | 2018-03-25 10:06 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

胡椒息子

獅子文六が、1930年代に発表した小説。
ランサムと同時期ですな。

東京の裕福な家庭に生まれた少年の物語。

ごくごく軽い小説だけど、
当時の金持ちのドラ息子やドラ娘、ドラ妻(なんて日本語は無いけど)の生態が興味深い。
ちょっと気になるのは、男性に甘いこと。
まあ昔だからね。第一、作者自身も男だから。

暇つぶしにお薦めです。

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# by foggykaoru | 2018-03-24 09:07 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

移住女子

伊佐知美という人が、移住した女性にインタビューしてまとめた本。

内澤旬子が小豆島に移住した本を読んで以来、移住というものにちょっと心惹かれるのだが、この本に登場するのは若い女性ばかりなので、ちょっと違ったかなという感じがした。
でも、自分で考えて、自分が暮らすべき土地を納得の上で選んだ女性たちに拍手!

この中の何人かは、311がきっかけで、それまで当たり前だと思っていた生活に疑問を抱き始めた。
あれはほんとに多くの人の人生を変えたんだなと実感した。





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# by foggykaoru | 2018-03-05 20:49 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)