ロシア語だけの青春

副題は「ミールに通った日々」
著者・黒田龍之介がロシア語を学んだ「ミール」という学校の思い出。

ミールというのは、代々木にあった、ロシア語業界では知る人ぞ知る学校だったそうだ。
そこに通い、無我夢中で勉強する著者の姿に胸が熱くなった。

ここ半年で読んだ本の中で私のベスト1。
だからって、どなたにもお薦めとは言いません。

でも
日常生活において、外国語を必要としない日本という国において、外国語をマスターするのは生半可なことではない。かなりつらい。つらくても楽しい・・・という気持ちが理解できる人には超超お薦めです。

ミールの教育法はほんとにスパルタ。
基本文の暗記、そして正しい発音による音読、暗記を強いられる。

でも、それって大事。

外国語は「通じればいい」というのもある意味真実。
実際、旅先などで、とっさの一言が口から出るかどうかでかなり状況が変わることはある。
でも、外国語教育がめざすものとしてはそのレベルで満足してはいけないと思うのです。
かっちりした構造の文を理解した上で、きちんとした発音で何十回も読んで、最終的にはすらすら言えるようにする、そういう文のストックを頭の中にたくさんため込んでいく、という作業はとっても大切なのです。

そのあたり、今の日本の英語教育は、従来のやり方のマイナス面ばかりを強調しすぎて、ぐちゃぐちゃでも通じりゃいいだろ英語に突き進んでいるのではないかと、私は憂慮しています。
英語教育がそんなことになると、他の言語を学ぶ力もつかなくなる。少なくともヨーロッパ言語に関しては。

あと、黒田氏は「発音を習うのはネイティブが一番、というのは間違い」と言ってます。
これにも激しく同感。
きちんと発音指導をしてくれるネイティブ教師って少ないんですよ実は。

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# by foggykaoru | 2018-12-16 21:06 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

世界のことば アイウエオ

黒田龍之介の言語エッセイ。

書店でこの本を見つけて、たぶん既読なんだろうなと思いながらも購入。
実際そうでした。
<a href="https://foggykaoru.exblog.jp/10292233/">「世界の言語入門」</a>という本に加筆修正して、文庫化したものです。

でも何回読んでもとても楽しい。

でも前著の再読ではなく、今回あえてこの本を買ってほんとによかった。

なぜなら、加筆された項目に「リンガラ語」があり、「異国トーキョー漂流記」の引用があり、さらには巻末の解説を書いているのが高野秀行だから。
私にとってはど真ん中直球でした。

この二人の対談集が出たら絶対に買います。




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# by foggykaoru | 2018-12-16 20:41 | バベルの塔 | Trackback | Comments(0)

旅行記・エッセイ・推理小説いくつか。

また放置しちゃってすいません。

ここ数か月のうちに読んだ本の記録です。

・あやしい探検隊 アフリカ乱入(椎名誠)
  マサイ族を写真に撮るのはなかなか難しいそうだ。

・明るい原田病日記(森まゆみ)
  原田病というのはとても珍しい病気だけれど、
  発見が早かったこともあって、なんとか飼いならしてるようです。

・関西人の正体(井上章一)
  「京都ぎらい」より前に書かれた本。
  先に「京都ぎらい」を読んでしまったせいか、印象薄。
  何が書いてあったか全く覚えていない。。。

・骨の島(アーロン・エルキンズ)
  一時期読んでいた骨博士ギデオンを主人公とする探偵もの。
  舞台となったストレーザのことを思い出しながらけっこう楽しく読んだ。
  しかし、、、このシリーズってこんなだったっけ?
  推理が大したことないのは織り込み済みだけれど、
  人間心理があまりにも薄い。
  もっといろいろ悩むだろうに。

・殿下とパリの美女(ピーター・ラヴゼイ)
  この人の「殿下もの」推理は読んだことがあるけれど、
  こんなに薄かったっけ?
  一つには、舞台が19世紀末のパリで、
  パリの描き方があんまりおもしろくない。
  ・・・少なくとも私には。
  ステレオタイプなんです。
  フランスとか、その当時のフランスの風俗を
  そこそこ知っている人には手垢がついた感じがするのでは。
  
  その点、「骨の島」の舞台ストレーザは
  私が1度行っただけの土地。
  だからちょうどよく面白かったんだと思います。

・クリスマスのフロスト(ウィングフィールド)
  「世界の探偵」的な本で、
  フロストの人となりはなんとなく知っていたけれど、
  フロストものをちゃんと読んだのは初めて。
  面白かったです。
  イギリス人が書いたイギリスの地方都市だから、
  うわっつらじゃない。
  でも再読するほど面白かったわけではない。
  ぜひ続編も読みたい、というほどではありませんでした。
  
  私は推理小説ですら、気に入ったら、再読します。
  最初から最後までとは限らないけれど、
  ぱらぱらめくって、一部分だけでも、じっくり読み直したり。
  

まだあるんだけど、今日はここまで。


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# by foggykaoru | 2018-12-01 14:54 | Trackback | Comments(0)

ゆるい生活

群ようこの実体験エッセイ。

突然めまいに襲われて、友人の薦める漢方薬局へ。
そこの先生の指導を受けて、体質改善していくお話。

私の体質と共通しているところがあり、非常に興味深く読んだ。
それは「水代謝が悪い」ということ。

鍼灸と冷え取りと上咽頭炎の治療によって、子ども時代からの嫌な同伴者である「風邪」とのつきあいが劇的に減った私ですが、水の代謝は相変わらずよくない。
舌の縁に歯との接触によって生じるギザギザがくっきりしている。
だからあんまり水分をとってはいけないんです。
でも、近年の夏の異常な暑さの前には、水をとらないわけにもいかない。
今年の夏、鍼灸の先生も治療中こう言ってました。
「困ったもんだね。熱中症になっちゃ困るから、水分はとらなければならないんだけど」

実は自分でも水の摂り過ぎかもと思うことがあります。
それは朝食。
メインは卵料理(その日の気分で目玉焼きにしたりオムレツにしたり)と野菜炒めなのですが、それに加えて腸活のためのヨーグルト(きなことオリゴ糖入り)を食べ、生姜入りミルクティーを飲むと、お腹がパンパン(だぼだぼ)になってしまいます。
結果、主食のパンがほぼなくなり、食べるとしても半切れに。
それは糖質を抑える意味で悪くはないんだけど。
とにかく水分でお腹がだぼだぼになっているという実感があります。
最近はミルクティーの量を微妙に減らしていますが、体感的にはミルクティーはいらない。
じゃなければヨーグルトをなくす? でも腸活はどうする?
ミルクティーをなくすと、生姜をとる手段がなくなっちゃうんですよね。
ヨーグルトにきなこと生姜を入れるっていうのは無理があるし。

悩みは深いです(苦笑)


群さんが通っている漢方薬局は伏せられています。
試しに検索したけど、わかりませんでした。
でも、多くの人が検索しているということだけはよくわかりました(笑)






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# by foggykaoru | 2018-11-11 08:56 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

仁義なきキリスト教史

著者の架神恭介という人はフリーライターなのだそうだ。

キリスト教の歴史をヤクザの抗争史にみたてたお話。
ボーンクリスチャンではあるけれどネタ話が大好きな友人が貸してくれた。

とってもわかりやすくて面白い。

大納得です。
イエスが病人を治した話とか、魚をたくさん出してみせた話とか、なーるほど実際はこんな感じだったんだろうな。

ネタバレしたくないので、詳しいことは避けますが、
パウロってのも、なーるほど、そういう奴、いそうだよね。
ルターも似たタイプなんだって。
ふーん。名を成す人って、えてしてそういう奴なのかもしれない。
(以上、独り言です。意味不明でごめん。)

世界史で「ニケーアの宗教会議で、三位一体を唱えるアタナシウス派が主流になって、アリウス派が異端ということになった」ということを「意味わかんないし、んなことどーだっていいんだけど」と思いつつ、入試に出るかもしれないからと、せっせと覚えたのははるか昔。
ほんとに「どーでもいいようなこと」だった、と書かれていて、今にしてなんとなく嬉しく思いました(笑)

カノッサの屈辱。懐かしい。
十字軍の蛮行は、おなじみでした。

最後に旧訳の内容にも触れているけれど、、、
ユダヤ教ってのは・・・絶句。
気候の厳しい砂漠の民の宗教だから、生っちょろい神じゃないんだ、ということを、どこかで読んだか聞いたことがあるけれど、それにしても激しいです。

湿潤な日本とは違う。違いすぎる。
生っちょろいほうが楽でいいよ。




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# by foggykaoru | 2018-11-10 21:34 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(0)

かなり前に読んだので、すっかり忘れてしまっているけれど、記録として。

アイスランドの推理作家アーナルデュル・インドリダソンの作品。
「湿地」「緑衣の女」に続く第三作。
前の二作と同じ主人公で同じムードなので、前二作でファンになった人には文句無いはず。

推理とか謎解きというより、警察もの、刑事ものです。
主人公の心情や暮らしぶりが丁寧に描かれているところが気に入っています。
っていうか、たぶん私は推理小説を読むとき、推理そのものよりも、その周囲の雰囲気を感じるのが好きなんじゃないかと、最近とみに思います。


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# by foggykaoru | 2018-11-06 20:30 | 推理小説 | Trackback | Comments(0)

平成大家族

中島京子作。
静かな老後を送っていく予定だった老夫婦(+ヒッキーの長男)
結婚した娘たちが出戻ったりして、あれよあれよという間に大家族になってしまうお話。
章ごとに違う視点で描かれているのが面白い。
ヒッキーを始め、現代の日本の家族にありがちな問題がたくさん盛り込まれていて、決してそんなに甘い話ではないんだけれど、なんともユーモラスな語り口で、うなりました。

中島京子の小説はたぶん三作目だけど、これがいちばん好きかも。

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# by foggykaoru | 2018-11-04 20:54 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)

さようなら、オレンジ

サボればサボるほど、読んだ本はたまってくる。
まずいまずいと思いつつ今日にいたりました。
読んだ順にアップしていきたいとは思ったけれど、とりあえずネット復帰を第一に考え、直近に読んだ本を軽くご紹介。

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とっても薄い文庫本です。
たっくさんの賞---大江健三郎賞とか太宰治賞とか。でもいちばんの決め手は「本屋大賞第四位」だったりして---を受賞したと帯に書いてあったので。
私はわりとそういうことに左右されます。ただし、芥川賞にはあまり左右されない。

作者は岩城けいという人。
オーストラリアに長く住んでいるらしい。
アフリカのどこかから難民としてオーストラリアにたどりついた女性と、学者の夫とともにオーストラリアにやってきた日本人女性の物語。
しみじみと面白いです。
さすがたっくさんの賞をとっただけのことはある。
薄いからあっという間に読んでしまったけれど、すぐに再読しました。

きっと作者の体験もたくさん含まれているのだろう。
というか、体験をこめた渾身の一作なのかも。
他にいろんな作品を書くことができるのか、他人事ながらちょっと心配になってしまう。



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# by foggykaoru | 2018-11-03 09:18 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)