カテゴリ:エッセイ( 158 )

ぼくは猟師になった

最近、ちょこちょこ猟師関連本を読んでるのは、内澤旬子さんの影響です。
小豆島に移住した話に、猟をしているということがちらっと書いてあったから。

で、今回のこの本の著者は千松信也という人。
京都大学まで出て、猟師になっちゃったのです。
猟師と言っても、銃は使わない「ワナ猟」の専門家です。
しかも、プロではない。
あくまでも「自分の食べる肉は自分で調達したい」というポリシーで猟をしているので、普段は運送会社の社員として働いている。

親は嘆くよね・・・
でも、本人がそういう人生を望んだんだし、幸せな人だと思う。

ワナ猟とは言っても、ワナにかかった動物の息の根をとめるのは大仕事。
特に手負いのイノシシをしとめるのは命がけ。
自分でやりたいとは思わないけれど、大変興味深いです。

で、この本にも書いてあったけど、今、猟師は必要とされているのです。

興味深いんだよね。
でも無理。絶対無理。


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by foggykaoru | 2018-04-08 19:01 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

白洲家関連のお話あれこれ

すっかりサボってしまいましたが、実は友人たちと誘い合って3月に鶴川の「武相荘」に行ってきました。
興味深いもので、特に本に埋もれた感じの正子の書斎が印象的でした。
お昼時に行ったので、ランチもとりました。
ちょっとお値段が張るのですが、なかなか美味しかったです。

私たちが出るとき、旗を立てた団体客が入ってきたのには驚きました。

で、武相荘訪問の準備として、次郎・正子の娘である牧山桂子さんの「白洲家の晩ごはん」「次郎と正子」を読みました。
武相荘のショップで「Play fast」と書かれたTシャツを見かけて、「Play first(まず遊べ)じゃなくてfastなのはなぜ?」と思ったのですが、そのあとで読んだ桂子さんのご亭主である圭男さんの「白洲家の日々---娘婿が見た次郎と正子」を読んで謎が解けました。
このplayはゴルフのこと。
次郎が常々、「ゴルフのプレーはさっさとプレーしろ」と言っていたからだったんです。

いちばん面白かったのは、「舅が次郎、姑が正子、その二人の娘が嫁だなんて、大変そうだ」と言われていた圭男さんの言葉です。
それは「台風の目の中にいるようなものだった」

いやー 存在自体が面白い家族ですな。








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by foggykaoru | 2018-04-01 22:25 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

小泉武夫の食エッセイ2つ

「猟師の肉は腐らない」で興味を惹かれ、小泉武夫の食エッセイを2冊読みました。

ひとつは「地球怪食紀行」
サブタイトルが「鋼の胃袋 世界を飛ぶ」
その名のとおり、著者が世界津々浦々で食した不思議な食べ物の話。
最大のポイントは「猟師の肉は・・・」の主人公のモデルである「八溝の義っしゃん」が登場すること。

もう一つは「不味い!」
こっちのほうが考えさせられることが多い。
一口に「不味い」と言っても、食習慣の違う国や地域の食べ物を不味いと感じるのは、まあその人の勝手です。(そういうタイプの話だけを集めたのが「世界怪食紀行」)
でも、食に関する産業の問題点(効率重視だったり)が凝縮された結果作られてしまう不味いもののほうは、なんとか減らしてほしいものです。

どちらの本にも登場して、世界最強なんだろうなと思わせるのは、スウェーデンのシュールストレミングという「地獄の缶詰」。
やばすぎます。
でも、スウェーデンにはこれを好物とする人がいるからこそ、ずっと作られ続けているんですよね・・・


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by foggykaoru | 2018-03-25 10:06 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

「坊ちゃん」はなぜ市電の技術者になったか

「テツ」として知られる英文学者・小池滋が、日本文学における鉄道ネタを追究するエッセイ。
扱われているのは表題の夏目漱石、田山花袋、永井荷風、佐藤春夫、芥川龍之介、宮沢賢治、山本有三。

おもしろい。
なにしろ「テツ」だから、鉄道ネタを調べるのは全く苦ではないのだろうけれど、日本文学は専門外なのに、ほんとにすごい。
佐藤春夫の「田園の憂鬱」なんて、まさにミステリーの謎解きだし、芥川の「蜜柑」という作品は、その作品の読み方自体が変わるかもしれないような大発見なのではないか。
宮沢賢治についての見方も大納得。

この本を出すきっかけは、表題作のほんの頭だけ、とある雑誌のエッセイとして発表したら、それを読んだ編集者が「こういう本を書きませんか」と企画を持ってきたそうだ。
腕利きの編集者というのはそういうものなんだろうな。

ところで、永井荷風なんて、いまどき読んでる人、めったにいないだろうけど、案外お薦めです。
手にってみて読めなかった作品も少なくないんだけど、「腕くらべ」か「おかめ笹」(←どっちだか忘れた・・・汗)、そして「つゆのあとさき」「墨東綺譚」をこの順番で読んだら、東京という町の変遷がよくわかって、なかなかでした。
水商売の女性を扱った作品なので、学校の先生は決して薦めないでしょうけれど、おとなのあなたにはよろしいかもよ。




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by foggykaoru | 2018-01-25 09:51 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

明日はいずこの空の下

児童文学作家の上橋菜穂子の本。
でも小説ではなくて旅エッセイ。あら珍しい。

彼女の専門分野である文化人類学つながりで、オーストラリアの話が中心です、上橋さんは英国児童文学を読んで育った人なので、イギリスの旅の思い出もあります。
しばしば名前があがっているのは指輪物語やグリーンノウ。
この2つのファンにとっては嬉しいエピソードが多い。

もちろんアーサー・ランサムの言及も1か所だけ、あります。
しかも、読んでいて「そろそろ出そうだ」と期待したところで出てきます。
上橋さんは「機会があれば必ずランサムを持ち出す」ということを自らに課しているとしか思えない。
律儀なお方です。

旅エッセイとしては普通ですが、上橋さんに興味がある人、英国児童文学やアボリジニに興味がある人に貸したら、楽しんでもらえそう。
なので、英国児童文学ファンの人優先でお貸ししますね。





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by foggykaoru | 2017-12-30 21:39 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

犬が星見た ロシア旅行

武田百合子の旅日記。
ダンナである泰淳のエッセイに描かれる彼女に興味を惹かれたので、彼女の有名な「富士日記」でも読んでみようかと思っていたのだが、たまたま図書館でこの本を見つけてしまったので。

昭和50年ころのロシア(正確にはソ連)旅行。
泰淳に「旅行に連れていってやるから日記を書け」と言われて書いたんだそうな。
若干、言葉遣いの粗さが見受けられるけれど、読ませる文章です。

今は昔ということが多い。トイレとか、今のロシアは全然マシだし。
旅情報としては役立たない(けれど、そもそもそんなものを必要とする人はこの本を読まないだろう)、けれど、読み物として面白い。
結局、彼女のキャラが面白いのです。まさに炸裂してます。
そして、1か月近くの長旅とは言え、1回の旅でで文庫本1冊分の文章を書けるのはすごいなあと、旅行記を書く身としては感嘆しました。
観光名所の説明なんかほとんどない。
でも切り取り方がうまいんです。
たまたま出会った人、たまたま見た光景を詳しく書いている。それが面白い。

旅行記がずっと読み継がれるかどうかということは、そこにかかっているのだろう。


ハバロフスクから入り、西に進み、ウズベキスタンの後、グルジア(今のジョージア)に入ったとたん、食生活が目に見えてよくなるのが印象的。

去年、私たちの旅の最後は、モスクワのデパート内の高級ジョージアレストランでのディナーでした。
引率者のふゆきが「ジョージア料理なら美味しい」と太鼓判を押すので。

ジョージア、行きたいなあ。

旅の最後は北欧(ストックホルムとコペンハーゲン)なんだけど、ここでの料理は洗練はされているけれど、ごく簡素なカナッペになってしまう。

一緒の便でストックホルムに行ったモスクワ特派員夫妻が「ソ連からこっちに来るとほっとする」的なコメントを言うが、百合子本人は西欧社会に物足りなさみたいなものを感じたようだ。
わかるような気もする。

でも、私はやっぱりモスクワ特派員の側だな。



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by foggykaoru | 2017-12-28 20:34 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

猟師になりたい

猟師なんて、およそ私の趣味の対局にあるんだけれど、小豆島に移住した内澤旬子さんが猟をしているというのが頭の隅に残っていてた。
で、この本のタイトルに惹かれて読んでみた。
なんでまた世の中にはそんなことをしたくなる人がいるんだ?と思って。

著者の北尾トロという人は、長らく東京を拠点としてライターをやっていたが、思い立って長野に移住。
そして思い立って猟師になろうとする。(その理由は忘れた・・・涙)

今、日本では猟師が必要とされているんだそうだ。
なので、免許をとろうとしている人にはわりと親切に対応してもらえるみたい。
銃刀法が厳しいので、銃のロッカーが必要なだけではなくて、ロッカーは家に作り付けにしなくちゃいけないんだって。(ロッカーごと持っていかれてしまうと困るから。)

免許を取得しても、実際に猟に出て、すぐに獲物を取れるわけではない。
でも、楽しそう。
自然を見る目が変わってくるんだって。
で、猟なんかにまるっきり興味を持っていない私(しつこい!)ですら、「老後に猟をするのって悪くないみたい」という気分になりました。

この本の続編、読むかも。

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by foggykaoru | 2017-12-20 20:56 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

夫の悪夢

著者は藤原美子。
「夫」とは藤原正彦。

もう藤原家の人々の本を読むことはないと思っていたけれど、この人の本はまだだったので、たまたま見つけて読んでみた。

うまいです。
藤原ていと新田次郎の息子である藤原正彦に文才があるのは意外ではないけれど、DNAの結びつきのない奥さんまでこんなにうまいなんて、いったいどうなっているんだろう?

雑誌連載のエッセイ集なので、1篇が短い。もうちょっと長いほうがいいんだけど。

藤原ていの文章を読むと、夫との仲はいったいどうだったんだと思いたくなるほど、言い方に棘があるんだけれど、この本をよんで、いやいや、言いたいことが言えて書くときも遠慮せずに書けたぐらい、安定した夫婦だったんだなと思った。
そして、ご本人とダンナ正彦氏の間も、とっても風通しがよくて、良いご夫婦なんだなと。

なんだかんだ言って、悪くない本でした。



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by foggykaoru | 2017-12-17 10:40 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

帰宅の時代

リンポウ先生こと林望のエッセイ。

バブルが弾けた後、延々続く不景気な時代に書かれた。
「もう仕事で残業することもない、さっさと帰宅する時代だけど、それを吉としようじゃないか」という本。

一番面白くて、今も覚えているのは、本編ではなくて、リンボウ先生の息子さんが書いた「解説」。

そのくらい、印象が薄い本でした。

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by foggykaoru | 2017-12-04 20:51 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

目まいのする散歩

武田泰淳のエッセイ。
この人については「ひかりごけ」という小説を書いたということと、奥さんが武田百合子という人だということだけ知っていた。
古本屋で見つけて、裏表紙に野間文学賞受賞作と書いてあったから、ためしに読んでみた。

彼のかなり晩年のエッセイ。
なにしろ、すぐ目まいがするような体調なのです。

古き日本を訪ねるような感じ。
そんなにせっせと続きを読みたいという気分にはならなくて、読み始めてから終わるまでに1か月ぐらいかかった。
しかも、その途中ではさんだのが、白洲正子のエッセイだったりしたものだから、「ひとり昭和初期モード」に入ってしまったような。

いちばん最後に収録されているのが、ソ連旅行記。
これはこれで、最近読んだ椎名誠のシベリア旅行記とかぶるし。

で、一番興味を惹かれたのは奥さんである。
かなりぶっとんだ人だったようで。(そうい意味で白洲正子とかぶる)
彼女の本を読んでみたくなった。

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by foggykaoru | 2017-10-29 16:01 | エッセイ | Trackback | Comments(0)