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カテゴリ:エッセイ( 165 )

ロワールの贈り物

著者は清宮伸子。
副題は「ルリュールとの出逢い」

2000年刊。
ルリュールとは「世界に一冊しかない本」をつくりあげるワザ。
この単語が日本で多少なりとも知られるようになったのは、たぶんこの本がきっかけなんじゃないかな。

お気に入りの本を専門家に装幀してもらうなんて、私には関係無い世界。
普通の本はぶっちゃけ「読めればいい」んだし、一生涯大切にとっておきたいなんて本はめったにない。
唯一、ちょっと特別な存在なのはランサム全集。
でもあれもあの岩波の装幀がいい。
みんなと同じだからこそ、語り合えるわけだし。

けれど、著者にとってルリュールとの出逢いがいかに衝撃的であったかということ、そしてその出逢いによって人生が大きく変わったということは、とてもよくわかった。
そういう出逢いがある人もいるんだなあ。
ちょっと羨ましい。







by foggykaoru | 2019-03-21 22:04 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

クラクラ日記

無頼派として知られた坂口安吾の夫人である坂口三千代がしたためた、夫の思い出の記。

この本の存在は「ビブリア古書店シリーズ」で知った。
坂口安吾のいちばん有名な「堕落論」は未読だけれど、昔、「不連続殺人事件」がかなりのお気に入りだったので、ずっとちょっとは気になっていた。
先日、友人に「まあ、読んでみなさいよ。昭和を感じるから」みたいなことを言われて、ようやく手にとってみた。

確かに「昭和」である。
今だったら絶対にありえない。
小説書くために覚醒剤を飲み、眠れないからって睡眠剤を飲み・・・
こんなダンナとよくも連れ添ったものだ。
惚れちゃったんだね。
それじゃなきゃつきあえない。
っていうか、作者自身が相当ぶっ飛んでいる人だからこそ、惚れることもできたわけで。

興味がある方はぜひ。



by foggykaoru | 2019-03-04 17:22 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

週末沖縄でちょっとゆるり

下川裕治の「週末〇〇でちょっと~」シリーズ。
でもこの本は下川さんが全部書いたわけではなく、章によっては下川さんの知り合いが担当している。

私にとって沖縄は遠い場所。
以前、けっこう本気で沖縄旅を考えたのだけれど、公共の交通機関だけで観光するのは大変そうだし、距離のわりには航空券が高い、アジアに行くほうが割安じゃないかと思ってやめてしまった。
長年おつきあいのある美容師さんが沖縄出身の人で、彼女に「沖縄って車が無いと大変そう」と言ったら、否定しなかったし。

この本読んだら沖縄行きの気分が盛り上がるかなと思ったりしたのだけれど。

太平洋戦争の惨禍、米軍基地の問題が登場してきて、「ちょっとゆるり」という気分からは離れてしまう。

美容師さんに「沖縄行ったら、『ひめゆりの塔』にも行かなくちゃいけないんだろうなと思うんです」と言ったら「そう思ってくださってありがとう」的な言葉が返ってきました。
やっぱりそうなんだよね。


by foggykaoru | 2018-12-22 22:00 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

三味線ざんまい

これも群ようこのエッセイ。

三味線に挑戦した体験談。
何やってもエッセイのネタになって、つまりメシのタネになるっていうのは羨ましい。

私はかねがね、老後の楽しみとして、声楽を習おうと思っていました。
そのためにも上咽頭炎を治したかった。
でもぜんぜん治らないんです(号泣)
前に比べたら劇的によくなっているから、治療は続けますが。

たぶん、東京に住む限り完治はしないんじゃないかと思うんです。

だから、楽器を習いたいと思ってます。

三味線って粋でかっこいいなあ。邦楽やるならお琴より三味線だな
と常々思ってました。

この本を読んで、半端無い難しさだということがよくわかりました。
群さんはピアノを習っていたから、三味線のお稽古の後、習った曲を楽譜化したり、かなり頑張ってます。
それでもワケがわかんないのだ。
西洋の楽器とは根本的に違うようで。
ボケ防止には素晴らしく良さそうです。
でも私はやめとこう。
第一、邦楽をすると、発表会は和服の世界だ。それは勘弁。

何を隠そう
私は七歳にして「一生涯、着物は着ない」と思い定めた人間なのでありまする。
七五三で憧れの振袖を着せてもらったはいいけれど、へとへとに疲れちゃって。
着せてくれた親にはホント申し訳ない。



by foggykaoru | 2018-12-21 22:27 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

衣もろもろ

群ようこのエッセイです。

何が書いてあるって説明しにくい。
すいすい読んだけど、ひじょーに印象が薄いのです。
はっと気づいたら、自分がすっかりおばあさんになっていて、何着たらいいんだか困ったなあ・・・
というようなことがぐだぐだ書かれていたような気がします。
で、自分も同じなので、共感しながら読んだような。

年とともに、似合う色が変化していく、、、というか、着られない色が増えていくということを実感する今日このごろ。
自分の現状に合い、それなりにすっきりした雰囲気を保つのがどんどん難しくなってきています。

この本は群さんが漢方薬局に通って体質改善したあとに書かれたもの。
だから水分代謝がよくなった結果、8キロもやせたと書かれていました。
これがわかったのが、この本を読んだ最大の収穫!?



by foggykaoru | 2018-12-21 22:15 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

ロシア語だけの青春

副題は「ミールに通った日々」
著者・黒田龍之介がロシア語を学んだ「ミール」という学校の思い出。

ミールというのは、代々木にあった、ロシア語業界では知る人ぞ知る学校だったそうだ。
そこに通い、無我夢中で勉強する著者の姿に胸が熱くなった。

ここ半年で読んだ本の中で私のベスト1。
だからって、どなたにもお薦めとは言いません。

でも
日常生活において、外国語を必要としない日本という国において、外国語をマスターするのは生半可なことではない。かなりつらい。つらくても楽しい・・・という気持ちが理解できる人には超超お薦めです。

ミールの教育法はほんとにスパルタ。
基本文の暗記、そして正しい発音による音読、暗記を強いられる。

でも、それって大事。

外国語は「通じればいい」というのもある意味真実。
実際、旅先などで、とっさの一言が口から出るかどうかでかなり状況が変わることはある。
でも、外国語教育がめざすものとしてはそのレベルで満足してはいけないと思うのです。
かっちりした構造の文を理解した上で、きちんとした発音で何十回も読んで、最終的にはすらすら言えるようにする、そういう文のストックを頭の中にたくさんため込んでいく、という作業はとっても大切なのです。

そのあたり、今の日本の英語教育は、従来のやり方のマイナス面ばかりを強調しすぎて、ぐちゃぐちゃでも通じりゃいいだろ英語に突き進んでいるのではないかと、私は憂慮しています。
英語教育がそんなことになると、他の言語を学ぶ力もつかなくなる。少なくともヨーロッパ言語に関しては。

あと、黒田氏は「発音を習うのはネイティブが一番、というのは間違い」と言ってます。
これにも激しく同感。
きちんと発音指導をしてくれるネイティブ教師って少ないんですよ実は。

by foggykaoru | 2018-12-16 21:06 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

ゆるい生活

群ようこの実体験エッセイ。

突然めまいに襲われて、友人の薦める漢方薬局へ。
そこの先生の指導を受けて、体質改善していくお話。

私の体質と共通しているところがあり、非常に興味深く読んだ。
それは「水代謝が悪い」ということ。

鍼灸と冷え取りと上咽頭炎の治療によって、子ども時代からの嫌な同伴者である「風邪」とのつきあいが劇的に減った私ですが、水の代謝は相変わらずよくない。
舌の縁に歯との接触によって生じるギザギザがくっきりしている。
だからあんまり水分をとってはいけないんです。
でも、近年の夏の異常な暑さの前には、水をとらないわけにもいかない。
今年の夏、鍼灸の先生も治療中こう言ってました。
「困ったもんだね。熱中症になっちゃ困るから、水分はとらなければならないんだけど」

実は自分でも水の摂り過ぎかもと思うことがあります。
それは朝食。
メインは卵料理(その日の気分で目玉焼きにしたりオムレツにしたり)と野菜炒めなのですが、それに加えて腸活のためのヨーグルト(きなことオリゴ糖入り)を食べ、生姜入りミルクティーを飲むと、お腹がパンパン(だぼだぼ)になってしまいます。
結果、主食のパンがほぼなくなり、食べるとしても半切れに。
それは糖質を抑える意味で悪くはないんだけど。
とにかく水分でお腹がだぼだぼになっているという実感があります。
最近はミルクティーの量を微妙に減らしていますが、体感的にはミルクティーはいらない。
じゃなければヨーグルトをなくす? でも腸活はどうする?
ミルクティーをなくすと、生姜をとる手段がなくなっちゃうんですよね。
ヨーグルトにきなこと生姜を入れるっていうのは無理があるし。

悩みは深いです(苦笑)


群さんが通っている漢方薬局は伏せられています。
試しに検索したけど、わかりませんでした。
でも、多くの人が検索しているということだけはよくわかりました(笑)






by foggykaoru | 2018-11-11 08:56 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

ぼくは猟師になった

最近、ちょこちょこ猟師関連本を読んでるのは、内澤旬子さんの影響です。
小豆島に移住した話に、猟をしているということがちらっと書いてあったから。

で、今回のこの本の著者は千松信也という人。
京都大学まで出て、猟師になっちゃったのです。
猟師と言っても、銃は使わない「ワナ猟」の専門家です。
しかも、プロではない。
あくまでも「自分の食べる肉は自分で調達したい」というポリシーで猟をしているので、普段は運送会社の社員として働いている。

親は嘆くよね・・・
でも、本人がそういう人生を望んだんだし、幸せな人だと思う。

ワナ猟とは言っても、ワナにかかった動物の息の根をとめるのは大仕事。
特に手負いのイノシシをしとめるのは命がけ。
自分でやりたいとは思わないけれど、大変興味深いです。

で、この本にも書いてあったけど、今、猟師は必要とされているのです。

興味深いんだよね。
でも無理。絶対無理。


by foggykaoru | 2018-04-08 19:01 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

白洲家関連のお話あれこれ

すっかりサボってしまいましたが、実は友人たちと誘い合って3月に鶴川の「武相荘」に行ってきました。
興味深いもので、特に本に埋もれた感じの正子の書斎が印象的でした。
お昼時に行ったので、ランチもとりました。
ちょっとお値段が張るのですが、なかなか美味しかったです。

私たちが出るとき、旗を立てた団体客が入ってきたのには驚きました。

で、武相荘訪問の準備として、次郎・正子の娘である牧山桂子さんの「白洲家の晩ごはん」「次郎と正子」を読みました。
武相荘のショップで「Play fast」と書かれたTシャツを見かけて、「Play first(まず遊べ)じゃなくてfastなのはなぜ?」と思ったのですが、そのあとで読んだ桂子さんのご亭主である圭男さんの「白洲家の日々---娘婿が見た次郎と正子」を読んで謎が解けました。
このplayはゴルフのこと。
次郎が常々、「ゴルフのプレーはさっさとプレーしろ」と言っていたからだったんです。

いちばん面白かったのは、「舅が次郎、姑が正子、その二人の娘が嫁だなんて、大変そうだ」と言われていた圭男さんの言葉です。
それは「台風の目の中にいるようなものだった」

いやー 存在自体が面白い家族ですな。








by foggykaoru | 2018-04-01 22:25 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

小泉武夫の食エッセイ2つ

「猟師の肉は腐らない」で興味を惹かれ、小泉武夫の食エッセイを2冊読みました。

ひとつは「地球怪食紀行」
サブタイトルが「鋼の胃袋 世界を飛ぶ」
その名のとおり、著者が世界津々浦々で食した不思議な食べ物の話。
最大のポイントは「猟師の肉は・・・」の主人公のモデルである「八溝の義っしゃん」が登場すること。

もう一つは「不味い!」
こっちのほうが考えさせられることが多い。
一口に「不味い」と言っても、食習慣の違う国や地域の食べ物を不味いと感じるのは、まあその人の勝手です。(そういうタイプの話だけを集めたのが「世界怪食紀行」)
でも、食に関する産業の問題点(効率重視だったり)が凝縮された結果作られてしまう不味いもののほうは、なんとか減らしてほしいものです。

どちらの本にも登場して、世界最強なんだろうなと思わせるのは、スウェーデンのシュールストレミングという「地獄の缶詰」。
やばすぎます。
でも、スウェーデンにはこれを好物とする人がいるからこそ、ずっと作られ続けているんですよね・・・


by foggykaoru | 2018-03-25 10:06 | エッセイ | Trackback | Comments(0)