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バビロンに行きて歌え

池澤夏樹著。
以前からこの作家には好感を持ってます。なにしろランサムの愛読者ですから。

ベイルートからやってきた密入国者ターリクが、大都会東京の中でさまざまな出会いを重ね、数奇な運命をたどっていく。

読み進むにつれて、ああだからこういう題名にしたのねと思った。

ピアノに忙しくて、あんまり頭が本を読む態勢になっていないのだが、抵抗なく読めたので、かなり読みやすいのだと思う。
面白かった。けど、最後はちょっと強引。
というか、ご都合主義かも? 
でも読後感はとても良いのでけっこうお薦めです。


現在、ユーズドでしか入手できないようです。

# by foggykaoru | 2010-05-26 20:52 | 普通の小説 | Trackback | Comments(6)

上を目指す

一念発起して練習を始めた全部で6ページの「ラプソディー・イン・ブルー」、最後まで譜読みをして、部分的にはけっこうイケてる(←ほんとか?)演奏ができるようになりました。
でも、通して弾いてみて不満を覚えました。
このアレンジ譜、あの部分が出てこないじゃない!

それは次のメロディーのところです。(ハ長調に転調してあります。)

ミファソ ↓ソー ラシドレーーーー
#レーーー
ミーーーー

なるべくゆっくり歌ってみてください。
明るい未来を予期させる、最後のあの場面に流れているメロディーです。

ラストも全然ダメ。ぷつんと終わってる。

もっとちゃんとした楽譜で弾かなくちゃ、弾く甲斐が無い。
だからって、オリジナル譜で弾く実力があるわけじゃない。
ちょうどいいアレンジ譜を見つけなくちゃならない。

と思って、銀座に出た折りに山野楽器に寄ったりしたのですが、探し方が悪かったのか見つからず。
階段のところで、映画「のだめ」の写真の展示を見られたのは収穫でしたが(苦笑)

昨日は新宿に出たついでに別の楽器店に行ったところ、オリジナル譜とおぼしき輸入ものの楽譜がありました。見てみたら、思っていたよりも易しそう。(あくまでも「思っていたより」ですが。)
でも、値段が・・・。3600円とかでした。
「著作権が切れているから、ネットで無料で楽譜をダウンロードできる」とか、どこかで見たっていうのに、この値段は高過ぎ。
同じ棚にアレンジ譜もありました。
見てみたら、なんだか難しそう。もしかして、オリジナルよりも難しい?
解説を読んだら「オリジナルにオーケストレーションも加えてある」 
うーん。。。これは無理。パス。

次に回ったのが紀伊国屋。ここに行ったのは楽譜目当てではなかったのですが。

ありました。

廻由美子という人のアレンジ譜。全音。900円。

全26ページ。長っ!
一応これを最後まで弾くのが目標ね。
でもそんな日は来るのだろうか?
長さの問題じゃなくて、指が動かないということです。むちゃくちゃ速いところも全部入ってる楽譜だから。
とりあえず、弾けそうなところから練習することにします。

6ページのバージョンのやつだったら、今年のクリスマスぐらいまでに、(あんまり)間違えずに弾けるようになると思っていたのですが。

でも、上を目指さなくちゃね!

# by foggykaoru | 2010-05-23 11:37 | ピアノ日記 | Trackback | Comments(6)

オーケストラ!

今話題の音楽映画は「のだめ」だけじゃありません。
この映画も相当評判がいいので、ずっと前から観たいと思ってました。
でも都内ではBUNKAMURAとシネスイッチ銀座でしかやってない。
どちらもけっこう混んでいる様子だったのですが、いくらかマシそうな銀座にようやく行ってきました。

フランス映画、なのですよ。
でも、聞こえる言語はロシア語が5でフランス語が4。
残りの1は、、、ロシア語訛りのフランス語(苦笑)

今をさかのぼること30年前、ブレジネフに睨まれて、筆を折った・・・じゃなくて、指揮棒を折られたロシアの天才指揮者が主人公。彼がひょんなことから「夢よもう一度」と、自分と同じく音楽の道を断たれた元プロの演奏家たちを集めて、「インチキ・ボリショイ交響楽団」を結成し、パリに乗り込む。そして、彼がオケ結成に秘めた思いが、単なる自分自身の「夢よもう一度」ではなかった、ということが最後の最後にわかる。

感動の結末です。
でも、コメディーです。メインとしては笑う映画で、オマケに音楽と感動がついてくる、という作品だと思います。

なにより笑えるのが、現在のロシアの、法なんか無きがごとしというぐずぐずな状況。
で、パリに乗り込んだ演奏家たち。そりゃないだろって。奪われていた音楽をこの手に取り戻したという感慨とか、ここで一発逆転ホームラン!とかいう気概は無いんかい?!
迎え撃つフランスのほうは、そりゃあロシアよりはずっとまともなんですが、その「柔軟な対応」に笑える。

クライマックスはチャイコフスキーのバイオリン協奏曲の演奏です。
若く美しい女性バイオリニスト役をやってるのは「イングロリアス・バスターズ」で注目された女優だそうですが、私にとっては「PARISパリ」でストーカー教授につきまとわれた女子大生(苦笑)。その演奏ぶりはなかなかのものでしたが、すでに清良(水川あさみ)を観てあると、別にびっくりするほどではありません。
30年ぶりにタクトを振る伝説の天才指揮者もたいそう頑張ってますが、玉木くんには遠く及ばない。

などと、ケチをつけてしまいましたが、家に帰ってからバイオリン協奏曲を口ずさんじゃったりして。
いい曲だなあ・・・
映画自体も掛け値なしにいい。
「のだめ」観てなかったら感動3倍増だったことでしょう。
絶対に大々的に公開する価値があります。
ああ、フランス映画にもっと光を!

「のだめ」のおかげでツボだったところもあります。
それはマネージャー。
交渉の武器は嘘とはったり。とにかくこちらの言い分を通す。
「辣腕マネージャーというのはこういうふうに仕事をしているのか」と、エリーゼのことをしみじみ思い出していた私でありました(笑)

なにより残念だったのは、映画館の音響がいまいちだったこと。
新宿バルトで「のだめ」観た後だったのが失敗でした。
ああ、フランス映画にもっと光を!

ちょっと興味深かったの以下の点。
主人公はとにかくチャイコフスキーに執着します。
彼女のバイオリンに執着した、ということが大きいのだけれど、とにかく他の演目、プロコフィエフは眼中にない。

帰宅してから検索してみたら、どうやらチャイコフスキーは旧ソ連体制下ではまずかったのですね。
それに対してプロコフィエフはスターリンの時代を問題無く生きて、それなりの名誉を得ている。そのへんなのでしょうか。


この映画の公式サイトはこちら

# by foggykaoru | 2010-05-21 21:36 | 観もの・聞きもの | Trackback(1) | Comments(2)

拍手のルール

副題は「秘伝クラシック鑑賞術」
「のだめ」の音楽監修してる茂木大輔氏の本。

最近「ピアノモード」になっているので、音楽関連の本を読みたくて本屋に行ったのですが、つくづく、音楽関連の本には大きなハンデがあるんだなあと思いました。
なにしろ、音楽そのものを知らないと、読んでもわからない。
楽曲に関する本は、その曲を知らなければ面白くもなんともない。
美術関連の本だったら、写真が載っていれば(たとえ白黒でも、たとえ小さくても)、それを見ながら読めば、一応はわかる。
でも、音楽を聴きながら読むのは、けっこう高いハードルです。
通勤電車では音楽聴けない。いや、聴けないわけじゃないけれど、そのためにはそれなりの装備が必要で、私はそこまでする気はない。
音源無しでもわかるのは、音楽の通史とか、音楽家の伝記とか、ごく限られた内容のもののみ。

だからこの本を選んだわけ。
タイトルを観て、「曲が終わったとたんにブラボーと大声出してやたら拍手するもんじゃないってことぐらいなら、知ってるんだけどなあ」と思ったのですが、読んでみたら「拍手」関連は3分の1ぐらい。
他の章も楽しく読めました。
っていうか、他の章のほうが面白かったかも?

読んでいて、すーっと呑み込めたのは、「クラシックの中のクラシック?」という項。
ハイドン、モーツアルト、そしてベートーベンへの流れの説明が、実に気持ち良く、心にすとんと落ちました。
小さい頃、うんざりするほどハイドンやモーツアルトの「ドソミソ」という伴奏の曲を弾かされたせいかもしれません。

「指揮者に必要な条件」というのも興味深かったです。
茂木氏が挙げているのは9つ。
そのうちの7つを、千秋はすでにクリアしていたんだなあと。
残る2つ、「指揮法」と「経験」をSオケとR★Sオケで学び、ヨーロッパへ雄飛していったのです。
「語学力」というのも条件のひとつとして挙げられています。
そうだよね、フランスのオケとネイティブ並みのフランス語でコミュニケーションできたというのは、コンクール優勝の要因の一つだろうなあ。
最近のフランス人は昔みたいに「フランス語を話さない人は人間ではない」なんて感じはないけれど、フランス語ができる人のほうが好感度ぐーんとアップなのは間違いない。

「拍手のお国柄の違い」でウケたのは、「パリは客席がうるさい」というところ。

クラシック好きの友人が、フランス人のマダム(←在日40年で日本語ペラペラ)と音楽会に行ったときのことです。
演奏家の調子がいまひとつだった。
そしたら、そのマダムったら、周囲が(なにしろ日本人ばかりだから)とてもお行儀よく聴いているのに、しゃべるしゃべる。演奏中なのに。
友人は内心「マダム~、お願いだから黙ってよ~」と冷や汗かきながらも、「こうでなくちゃ演奏家は育たないんだな。日本人は甘すぎる」と、感銘を受けたんだそうです。

だから、千秋の「ボロボレロ」のとき、パリの客は黙って聴いてくれてなんかいなかったはずです。ほんとうはね(笑)


勢いで書いた感じの「読んで楽しむのだめカンタービレの音楽会」よりも、この本のほうが茂木氏の文章の良さが出ているんじゃないかな。


この本に関する情報はこちら

# by foggykaoru | 2010-05-20 21:28 | エッセイ | Trackback | Comments(6)

おけいこ開始

というわけで、昨日から一念発起してピアノ練習開始。

ボロボロのハノン引っ張りだしてきました。
1番を弾いただけで、左手の4と5の指(薬指と小指)がもつれました。だらしないなあ。

自分の指のふがいなさに呆れながらも、ちょっとびっくりしました。

ハノンがつまらなくない。

自分の出す音1つ1つのつぶを揃えようと、耳をすませて弾いていると、けっこう楽しい。
子どもの頃はこんなふうには練習しなかった。
なにしろ楽譜の代わりに地図帳を開いて弾いていたくらいで。(そのおかげで地理が得意になった(苦笑))

曲のアナリーゼをするために、いろいろ考えなくちゃいけないだけでなく、それ以前の基礎練習の時点から、考えなくちゃいけなかったのですね・・・
学習能力の高い子ども時代には、考えなくてもそこそこ身体が覚えてくれる。
でも年取ったら「薬指、強くなれよ、へたれるなよ。あっ、またそこでよろめいた。ダメじゃん、頑張れ!」と呼びかけながら練習しないと、身につかない。っていうか、年をとると、そういうことが自然にできるようになって、学習能力の低下を補ってくれるのだなあと実感。

筋トレなども、どこの筋肉を鍛えているのか、意識を向けないと効果が薄いと言われます。ピラティスなんか、その最たるものらしいですね。だからピラティスは精神年齢が低いと無理なのだとか。


今日はハノンの1番と2番を続けて楽譜通り1回。
次にリズムを変えてみたり、スタッカートもちょっとやってみて、最後にスピードを上げて1回。
音階を弾いてみたら、あまりにもボロボロで唖然。
右手はまあいいのだけれど、左手がひどすぎる。無残。
こんな基礎練習を30分。

そしてラプソディー・イン・ブルーを30分。
最初のクラの、音階を駆け上がる部分は、基礎練を積み重ねなければ攻略できないので、おいといて、その後からやっています。
昨日1ページ。
今日は半ページ。

なめらかに弾けるようになるためには、指使いを考えて決めないといけないな。鉛筆はどこかしら?

# by foggykaoru | 2010-05-17 22:02 | ピアノ日記 | Trackback | Comments(8)