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恋するソマリア

高野秀行著。
「謎の独立国家ソマリランド」の続編。

うまいタイトルですなあ。

賞をとった「謎の~」の「柳の下」を狙った本かも・・・
と多少心配していたのですが、大丈夫でした。高野節、絶好調。
久しぶりの高野本で、こちらに飢餓感があったということもあるだろうけれど、大満足でした。

しかし、ここまで入れ込んだソマリランド&ソマリアだけど、これ以上突っ込んでいくと、命がいくつあっても足りなくなるかも。
高野本が読めなくなるのは嫌だから、あんまり無理しないでね>高野さん


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by foggykaoru | 2015-02-18 21:01 | ルポ・ノンフィクション

わが盲想

モハメド・オマル・アブディン著。
全盲のスーダン人であるこの人が、自力で日本語で書いた本。
聴覚を失ったことを売りにした作曲家が実はインチキ障害者だった、という話がありますが(実は私はあの人のこと、今回ニュースになるまで全然知りませんでした。でもあんな見るからに怪しげなアサハラショーコー的な人になんでだまされたの?)、この人はホンモノの視覚障害者です。
どうやって書いたかはYoutubeで見られます。喋っているところも見られます。
こちらへどうぞ。

面白いです。深みはないけれど。半身浴のおともにぴったり。文字が大きいのは読みやすくていいけれど、すぐに読み終わってしまうので、1字あたりの単価は高い(苦笑)

全体的にものすごく上手な文章です。あれだけ喋れるんだから当たり前かも? ちょっぴりだけ不自然だと感じられる言葉遣いが散見されるけれど、ここまで書けない日本人はごまんといることでしょう。そもそも頭がいい。めちゃくちゃ回転が速い。

この人、高野秀行さんの友人で、この本自体が高野さんのプロデュース。
だから買ったわけで。
この本を読んだあとで、彼が登場する高野さんの「腰痛探検家」と「移民の宴」を読み返してしたら、しみじみと楽しかったです。

アブディン氏の日本留学のきっかけを作った団体はこちら
アブディン氏が母国の視覚障害者支援のために自ら作った団体はこちら

世の中にはいろんなことをしている人がいるもんだなあ。



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by foggykaoru | 2014-03-09 09:02 | エッセイ

アフリカで寝る

1997年度エッセイスト・クラブ賞受賞。私が読んだのは文庫で1998年刊。ユーズドでしか買えません。
著者の松本仁一がナイロビ支局にいたころ、朝日新聞に連載していたルポ。もしかして、連載当時に読んでたかも?

高野さんの本を読みなれた目には、お行儀がよくて、読み始めたときは少し物足りなく感じてしまいました。が、読み進んでいくと、なかなかいいな、さすが賞を取っただけのことはあると思いました。
でも、もともと新聞で1日に1篇ずつ読むために書かれたものなので、一気にたくさん読むと、ちょっと飽きます。
通勤時、行きに1篇、帰りに1篇読むのがいちばん。
古い話ばかりですが、古くなっていない。(たぶん)
政権が変わったりはしていても、アフリカの抱える本質的な問題はまったく変わっていないのだと思います。

by foggykaoru | 2013-12-13 21:20 | ルポ・ノンフィクション

世にも奇妙なマラソン大会

見放題だと思うとついつい『あまちゃん』を観直してしまい、更新どころじゃなくなりまして。ほんとうは綾野剛くんが出演した『カーネーション』も観てみたいのですが、必死に我慢してます。
NHKオンデマンド、退会するべきかも。

この本読んだの、1か月近く前です。印象薄くなってるので、感想文も薄いです。ごめん。

時系列としては『腰痛探検家』の悪戦苦闘のあと。
そんなにあとではなさそうなのに、衝動的にマラソン大会に参加しちゃうなんて。
しかも灼熱のサハラ砂漠で。
フルマラソン経験ゼロなのに。

ありえない。

フツーの人だったらやらないって。

そこをやっちゃうところが高野さんです。
だから本が書ける(笑)

マラソン大会だけでは1冊分にならなかったようで、後半は高野さんが体験した奇妙な出来事を綴った短編集となっている。
ブルガリアの体験とか・・・あれだけ旅してるのに、鈍すぎでしょう!!

高野本としてはまあまあねというレベル。
っていうか、『ソマリランド』の余韻が強すぎて。

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by foggykaoru | 2013-10-20 17:17 | ルポ・ノンフィクション

謎の独立国家ソマリランド

高野秀行渾身の作ということで以前から注目していたら、講談社ノンフィクション賞を受賞、さらに本屋さん大賞のノンフィクション部門で1位を取った!
文庫になってないけど、しょうがない、読もう、ということに(苦笑)
ちょっとご無沙汰だった高野本、読み始めたらやっぱり面白い。
分厚くて重たいけれど、電車の中でも読みました。一気読み。

賞を取るだけのことはある。
高野本はそれぞれに魅力があるけれど、これはベストかもしれない。

ソマリアの海賊は有名だけれど、ソマリアの実態は3つの国家に分かれているのだそうだ。
国際的に認められているソマリア。これは南の3分の1。非常に治安が悪い。
それ以外にソマリランドとプントランドがあり海賊国家はプントランド。
一番北に位置するソマリランドは他の2つとはくらべものにならないほど平和。
しかも民主国家。ある意味、日本よりうまくいっている?!

高野さんのディープな潜入ぶりは「アヘン王国」や「西南シルクロード」を書いた二十代のころと変わらない。
昔と違うのは経済力。今回は相当なお金をかけている。
お金がないとどうしようもないエリアなのだ。
ガードマンを雇わないと危なくてしょうがないから。
文庫が売れて、印税が入ったからこそできるようになった旅だと言える。
よかったね。
私も文庫をせっせと買ってよかった。


これ以上ネタバレしない。とにかく読んでみて。


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by foggykaoru | 2013-09-09 21:46 | ルポ・ノンフィクション

うなドン

PC不調です。今日は奇跡的にネットにつながりました。

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副題は『南の楽園にょろり旅』
と聞けばわかる人はわかる。
ウナギを求めて何万里、『アフリカにょろり旅』の続編。著者はもちろん青山潤。

続編だけれど、内容は続きではない。ウナギ探索旅デビューの話とか、むしろ今回のほうが古い話。
で、前作には及ばない。面白いけれど。

ほんとにウナギのことしか考えてないのよねえ。
普通の旅人だったら、イスラム圏に行く前にラマダンかどうか、調べていくのに・・・
っていうか、そもそもラマダンを知らずに行くというのが・・・絶句。
3人でタヒチに行くのに、「ウナギ」のフランス語を知っているだけの人が1人しかいない、っていうのもねえ。もうちょっと準備していけばいいのに。ほんとに無防備。

だからこそ、ネタになるんだけど。

そして
ウナギ探索の旅のほとんどが徒労。
それでもでかけていく。
傍からみたらほんとうに物好きなんだけど。

考えてみれば、
出発前に期待したことすべてに出会えるというのは、異常なことなのかもしれない。
旅も人生も、先がどうなるかは、本来はわからないものなのだ。
旅人としての基本を完全に踏み外しているガテン系研究者による、「ほんとうの旅」の記録、かも?

著者に「にょろり旅」シリーズを書くことを勧めた阿井渉介という人があとがきを書いていて、むしろこっちのほうが印象的だったりして。
というのは、青山氏が所属していた東大の海洋研のウナギ研究室が主任教授の退官とともに消滅してしまったのだそうだ。ウナギの産卵場所をほぼ特定したという、理系に疎い私でさえもすごい発見だということがわかる業績を挙げた研究室が。日本ってどっか間違ってません?
だから青山氏はこの本を書く暇ができたんだけどね。


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by foggykaoru | 2013-08-21 22:17 | ルポ・ノンフィクション

世界が生まれた朝に

著者はコンゴの作家エマニュエル・ドンガラ。
探検三昧だった高野秀行氏が大学の仏文科を卒業するために翻訳した小説。

絶版状態のようだが、ネットで検索したら近所の図書館にあることがわかり、行ってみたらほんとうにあった。行くたびにしばしたたずみ、優秀な友人(いるんだなこれが)が翻訳した地味で売れそうもない本(あるんだなこれが)を手に取りはするものの、結局は何も借りない(私が借りなかったら誰が借りる?!とは思うんだけど、ほんとにごめん)、フランス文学の棚にひっそりと。

コンゴとおぼしき地域の村に生まれたマンクンクの一生が描かれている。
抜きんでた知性と謎めいた緑の瞳を持つ彼は、言うなれば「スーパー・アフリカン」
周囲の人々に警戒されることもあったが、頼りにもされる。
もしも白い肌をした異人が訪れなければ、村の長老として生涯を終えることも可能だっただろう。
しかし、運命は彼を翻弄する。
彼を待つのは悲しみに包まれた、しかし不思議に輝きに満ちた最期。
あまり文学的ではない私だが、この結末には「文学ってすごいな」と思った。
こういうこと感じさせてくれる作品はめったにない。

アフリカの数百年の歴史がマンクンクの一生とともに描かれる。つまり、歴史的事実に即してはいるが、限りなくファンタジックな物語である。
だからアフリカの歴史にさして興味を抱いていない人(たとえば私とか)であっても、一種のファンタジーとして十分に楽しめる。

この作品の主人公はマンクンクではない。
ほんとうの主人公は「アフリカ」そのものなのだ。

高野さんの翻訳は素晴らしいです。
出版するにあたって手を入れたのでしょうけれど、こんな作品をここまで訳したら、大学の先生だって卒業させないわけにはいきません。

それにしても絶版とはもったいない。
文庫化すれば、きっと高野さんのファンが買うはずです。

by foggykaoru | 2012-11-01 20:10 | 普通の小説

幻獣ムベンベを追え

「アジア新聞屋台村」の高野秀行が早稲田の探検部員だったときに敢行したアフリカ探検のてんまつ。
タイトルから推察されるように、「ムベンベ」という怪獣を探しに行くのだが、「幻獣」とあるとおり、発見には至らない。

でも、これぞ探検。

まずは準備。
言葉を学ぶために、その国の人を探すことから始めるのだ。
私だったら語学学校を探しまくる以外、思いつかないのに。
でも、考えてみたらそれが基本だよねえ。

そして現地。
もちろん自然は過酷である。
猛獣はあまりいないようだが、疫病の危険がある。
でも、赤道直下というのは、意外に涼しいらしい。
ジャングルの中だと、東京の熱帯夜よりもはるかにマシっぽい。

その中でいちばん印象的なのは「土人」、もとい「原住民」との関わり。
現地はあくまでも原住民のものだから、原住民の意向に逆らうと探検はできない。
当時のコンゴの国家体制は今のものとは違うようだが、そもそも、ジャングルの奥地では「国家」なんて概念は通用しない。

なにしろ空振りに終わった試みである。
だから爽やかな達成感を味わいたい人はがっかりするかも。
でも、これぞ探検。お薦め。

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by foggykaoru | 2012-08-21 21:09 | ルポ・ノンフィクション

神々と男たち

先週末が英国映画三昧だったので、今週末はフランス映画を。
というわけで、今日から営業再開した銀座シネスイッチに行ってきました。

舞台は1996年代のアルジェリアの小さな村。
カトリック修道院を中心としたイスラム系の村民たちの暮らしがあった。それがイスラム原理主義者の台頭で崩されていく。異教徒、しかもアルジェリアを植民地化して搾取してきたフランス人、ということで、修道士たちは標的になりかねない。政府からは帰国命令がくる。しかし村人たちは「行かないでくれ」と懇願する。

修道士だって人の子。どうするべきか悩む。ここがいい。きれいごとでなくて。

おそろしく地味な作品だし(いびきをかいて寝てる人がいましたよ・苦笑)、宗教がらみだから、日本人にはわかりにくい。かなりキリスト教慣れしている私でさえ、「日本人とはものの考え方が違う」と改めて実感しました。

・・・でもね。
最終的にはほとんど同じところに落ち着くような気もするのです。
キリスト教徒が「神」という言葉で説明することを、日本人は別の言葉で説明する。その言葉は「良心」とか「誇り」とか、人によって異なるけれど。

今だからこそ、心に響いたところが多々あり。
修道士たちの運命は、人間同士の憎しみが生んだ内戦に翻弄される。
今、関東の人間が置かれた不安な状況は、天災に端を発し、そこに人間のズボラとか判断ミスなどによって拡大された事故による。
まったく異なるタイプの災厄だけれど、「とどまるべきか否か」「自分は何をなすべきか」ということを考えざるを得ないというところとか、「日々のつとめを淡々と行うことで救われる」というところは同じなのです。

人間は何のために生まれ、生きるのか。
この、答えの出ない問題をつきつけられた思いです。

原題は「Les Dieux et les hommes」
英語に訳せば「Gods and men」
「神々と人間たち」と訳すほうが適切なのでは。
確かに登場するのは男性ばかりなんだけど。

この映画の公式サイトはこちら


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今日の経済活動:
銀座でパスタランチ。
教文館ナルニア国で書籍購入。
ほんとは先週末、ここで『ツバメの谷』を買いたかったのです。
ランサム・シンパのナルニア国だけあって、しっかり平積みにしてくれてました。しかも2か所で!!

by foggykaoru | 2011-03-26 18:27 | 観もの・聞きもの

第五の騎手

何年ぶりかの「過去に読んだお薦め本」カテゴリーのポストです。

この本はドミニック・ラピエールとラリー・コリンズという2人の共著。
彼らの作品としては「パリは燃えているか」が有名。
第二次世界大戦末期、いよいよナチス・ドイツがダメになったとき、パリの司令官のもとにヒトラーからの命令が来る。
「パリを焼きはらえ」と。
その命令に従って、パリの各所に爆弾が仕掛けられる。
あとはスイッチを押すだけ。
でも、花の都パリを目の前にして、パリ司令官はためらう。
再度ヒトラーからの電話がかかる。
「パリは燃えているか?」

この作品は映画化されました。
両親が観に行きました。私はお留守番。
両親が買ってきたパンフレットを読んで、「なんだ~つまんないの」と思った当時のわたし(苦笑)
その数十年後、レンタル・ビデオで観て、大感動しました。

この映画に関するもっと詳しい情報が欲しい方はこちら
・・・ああまた観たくなっちゃった。


前置きがえらく長くなりましたが、本題の『第五の騎手』、これは「イスラム圏の某国のリーダー@どう考えてもリビアのカダフィ」が
「マンハッタンに水爆を仕掛けたぞ」
と、「カーターとおぼしき当時のアメリカ大統領」を脅迫するお話。

ものすごく面白かったです。
通勤電車の中でかじりついたのはもちろんのこと、もう時効だから白状しますが、仕事の合間にも人目を盗んで読まずにいられなかったという。。。

調べてみたら、絶版になってました。
まっ、時事ネタはすぐに古くなってしまうから、しょうがないのですが。

でもほんとに面白かったんですよ。
アドレナリン出まくりでした。

by foggykaoru | 2011-03-03 21:11 | 過去に読んだお薦め本